共同入場で統一アピール

釜山アジア大会開幕


統一旗を先頭に共同入場する北南の選手


最終聖火ランナーのケ・スニ選手と河亨柱氏

「ONE KOREA」の横断幕を手に声援を送る観客

北、南、在日がひとつになって応援

 【釜山発=琴基徹、千貴裕記者】北と南の選手600人が9月29日、釜山アジアード競技場で行われた第14回釜山アジア競技大会開幕式で共同入場し、場内から惜しみない拍手を浴びた。北の選手団や応援団はもちろん、「万景峰―92」号が南に入港・停泊するのも分断以来初めてのこと。開幕式には金大中大統領と南の政財界の各人士やジャック・ロゲ国際オリンピック委員会会長をはじめとする内外の来賓が参加した。また、北の体育代表団団長のパク・ミョンチョル朝鮮オリンピック委員会委員長をはじめとする350余人の北側応援団と700余人の総聯同胞応援団、44の国と地域の1万人の選手らが参加した。

 開幕式では、統一の雰囲気が最高潮に達した。民謡「アリラン」が流れる中、北のリ・ジョンフィ選手(女子サッカー)と南のファンボ・ソンイル選手(ハンドボール)が掲げた統一旗を先頭に北南の選手団が手を結びながら入場すると、観客らは総立ちで拍手喝采を送った。

 開幕式では、アトランタオリンピック女子柔道金メダリストのケ・スニ選手と、ロサンゼルスオリンピック男子柔道金メダリストの河亨柱氏(現東亜大学教授)が最終聖火ランナーとして登場、民族の統一意志と地域の自主的繁栄を目指すアジアの人々の願いを込めた聖火をともした。

 「北南の選手が一緒に入場するのを見て涙が止まらなかった」という林時代さん(52・女性同盟愛知県岡崎支部)は、「私たちは同じ民族だし、統一は必ず成し遂げなければならない。今日の共同入場をきっかけにして、より活発に交流し民族の和解と団結の雰囲気を盛り上げなくては」と話した。

サッカー、バスケ白星スタート

 北の選手団の先陣を切って試合に臨んだ男子サッカーチームが9月28日、香港を2―1で下した。

 この日の競技場は北側応援団とともに、北の選手を応援しようと集まった南の市民らで埋め尽くされた。

 職場の同僚と一緒に来たというソ・ヨンスさんとキム・ヨンミンさんは、「これまでテレビでしか見ることができなかった北の同胞に会えただけでもうれしいが、こうして勝ってくれたので本当に気分がいい。決勝戦はぜひ南と北で」と興奮した口ぶりで話した。

 一方、北の男子バスケットも9月29日、UAE(アラブ首長国連邦)を85―64で下し、初戦を飾った。

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