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朝鮮学校をバスケで支える

在日本朝鮮人東京都バスケットボ−ル協会会長・黄隆司さん


 「朝鮮学校の生徒たちに活躍の場を――」

 その強い願いが活動の原動力となった。朝鮮学校が日本の公式試合に参加できなかった頃、同胞有志を集い朝鮮学校生徒のために独自の大会を企画。その後22年間東京で在日朝鮮人学生のためのバスケットボール選手権大会を支えてきた。

 自身に民族教育を受けた経験はない。朝鮮語を学んだのは、大学入試を終えた直後、朝青支部で行われる青年学校で。大学の頃には、東京朝高バスケ部と在日朝鮮人バスケットチームの指導をかって出た。「自分にできるのはバスケットボールだったから」。

 現在、在日本朝鮮人東京都バスケットボール協会会長を務める。14日、東京・渋谷区で開かれた、在日本朝鮮人初級学校および中級学校生徒たちの関東地方バスケットボール選手権大会を約800人規模で開き、成功させた。準備のため奔走したのは1年前から。

 「少子化が進む中、小人数でできるバスケはとても効果的。交代制で多くの子供たちが参加の機会を得れるし、天候に左右されず練習もできる。競技を通じて団結や協力の大切さも学べる」…。

 同大会参加チームは、年を重ねる毎に増え続けている。81年の第1回大会では12チームだったのが、今では3倍を超した。小中学生のバスケットボール大会で、出場選手が500人を超えるものは稀だと言う。「朝鮮学校を魅力あるものにしたい」。その気持ちが、苦労を吹き飛ばす。

女性の視点から近代見る

「国家とジェンダー」講演・江原由美子さん

 女性問題に関心を持つようになったのは、学問としての興味よりむしろ、「なんで女だけが家事をしなきゃいけないの? なんで女だけが育児をしなきゃいけないの?」といった、生活の中での素朴な疑問を抱いたことがきっかけだった。

 東京都立大学人文学部教授。社会学と女性学を専攻する。「性・暴力・ネーション」、「フェミニズムのパラドックス」など著書多数。

 昨年12月、東京・池袋の立教大学で、第3回連続公開講座「女性と政治」の一つとして、「『近代国家』とジェンダー」について講演。近代国民国家において女性は、人間として認められていなかった、女性は「産む道具」…。占領下においての「慰安婦」問題が常々議論の的となっているが、それは「軍の関与なくしてありえないこと」と強く主張。「ジェンダーの問題を追って行くと、近代の出発点にまで逆上る」。

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