「同胞経済研究」第3号を発行

在日本朝鮮人商工連合会


 在日本朝鮮人商工連合会から「同胞経済研究」2001年冬・第3号が発行された。

 今号の内容は、同年10月に調査を実施した同胞企業定期景況観測、朝鮮大学校政治経済学部の呉民学講師による誌上講演「需要の展望と対応策を考える」、滋賀県立大学人間科学部の鄭大聲教授による誌上講演「『狂牛病問題』について」、商工連合会・経済研究室による「経営革新の必要性と『中小企業経営革新支援法』の活用」、朝鮮大学校経営学部の金美徳講師による「日本のベンチャー企業と在日コリアン企業の比較研究―アントレプレナーシップ(起業家精神)の分析を中心に」、資料「国際問題に関する朝鮮の立場」(米国同時多発テロ、対アフガン戦争、靖国神社参拝、地球環境、安保理改革など)など、読み応えのある論文が満載だ。

 同胞企業定期景況観測は今回で3回目。東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の各商工会の法人会員のうち270法人の経営者を対象に実施されたもの。調査内容は、@景気判断A売上高B仕入価格C採算状況D資金繰りE設備F人手。うち6項目が前期比で悪化傾向を示し、2期連続マイナスも5項目となり、同胞企業は引き続き厳しい状況にあることが明らかになった。

 「『狂牛病問題』について」は、原因物質の異常プリオンなどに対する知識を紹介しながら、対策について言及。新メニューの開発、同胞同士の団結の必要性を上げた。なかでもとくに、商工会を通じて、行政からの情報を正確に把握し、行政に対し正確な対応を要求することを強調している。

 「経営革新の必要性…」では、現在の在日同胞が置かれている経済環境をふまえ経営の見直し、経営革新の事業計画に絞って、主に公的機関に承認を受ければさまざまな支援が得られる「中小企業経営革新支援法」に基づいた事業計画書の具体的な作成方法を紹介している。

 制度の内容は、政府系3金融機関による低利融資制度、高度化融資制度、経営革新のための補助金制度、税制面での支援措置、新規成長分野雇用創出特別奨励金、中小企業信用保険法の特例、中小企業投資組合育成株式会社法の特例の7つ。

 購入などに関する問い合わせは在日本朝鮮人商工連合会(TEL  03・3844・4111)まで。ホームページ=http://korea-fci.com

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