本社記者平壌レポート
交通指揮官が朝鮮の英雄に
秘訣は機敏な動作とやさしい心
平壌市リョンフンの交差点には、全国的に知られている人気のある交通保安員がいつも立っている。平壌市人民保安局交通指揮隊哨所長のリム・ミョンファンさん。75年から26年間ここで勤務している。
彼は交通保安員として初の労力英雄だ。市民からの推薦をうけてとのこと。彼は市民に親しまれ、部下からは尊敬されている。 人気の秘訣の1つは、交通指揮が上手で達者なこと。左右の手と、片足まで使い、まるで踊っているような機敏な動作は、だれもがまねのできる技ではない。それに視線がくわわる。 「数多く走る車を上手に指揮するためには、動作を正確に、自由にするのはもちろん、一人ひとりの運転手と視線をあわせ、意思疎通するのが大事。減速することなく交差点を通過すれば、運転手も私も気分がいいです」 いくら交差点が混雑していても、彼が指揮をとれば、いつの間にか車が順調に走るようになる。 2つめは、他人を思いやるやさしい心だ。 彼は交通違反した運転手を取り締まるとき、絶対に強圧的にしない。生命、財産の大切さをていねいに教え、自ら悟るようにする。もちろん罰金を徴収することもあるが、彼に対して悪くいう運転手はいない。 地方からきた車が故障したら、修理が終わるまで立ち会ってあげるなど、困った人を助けてあげたエピソードは数多い。 妻のキム・ジョンヒさん(42)は「道端でいきなりたおれた人を見るとほっとけないのがうちの主人なの。病院に連れていって、入院の手続きまでしてあげたとか」。 リムさんは、87年9月10日に金正日総書記の表彰状を、93年12月10日には金日成主席の表彰状を受けた。95年12月と99年5月には、金正日総書記の、人柄がよく交通指揮がうまいので人民みなが好んでいるとの言葉ももらった。そして96年2月、共和国労力英雄称号が授与された。そのほか、金の指輪などのプレゼントも贈られた。 リョンフンの四つ角に行けばいつでもリム哨所長にあうことができる。【平壌発=李松鶴記者】 |