春・夏・秋・冬

 日本、いや多分世界でも、最多シリーズ映画と言えば全48作品の「男はつらいよ」。しかし、それよりも長いシリーズ映画が朝鮮にある。「民族と運命」。現在まで56部が作られた。題名からも察せられるように、日帝の植民地支配、朝鮮戦争、祖国分断など情勢に翻ろうされながらも、強くたくましく、信念を曲げずに生きる人々の姿を描いてきた

▼そのシリーズ52〜56作目が最近上映され評判を呼んでいる。サブタイトルは「昨日、今日、そして明日」。なぜ評判なのかというと、1990年代後半に6年間も続いた「苦難の行軍」時代の出来事が描かれているからだ

▼この時期、社会主義封鎖政策や数年続いた自然災害などの要因が重なり、朝鮮の人々は建国以来の厳しい試練を経た。映画では、国民のほとんどが苦労しているにもかかわらず、自分だけが生活難から逃れようと、外貨稼ぎに走る者の姿が描かれている

▼食糧問題解決のためにへき地で研究に没頭する研究者がいる反面、長年にわたって党の農業政策に反する行為を働いてきた農業委員会幹部も登場する。もちろん、こうした人々や出来事を興味本位に描くのではなく、そこから学ぶべきことは何かを訴えかける

▼朝鮮では映画は単なる娯楽ではない。人々はそこからさまざまなことを学び取る。この映画から朝鮮の人々は何を学んだのだろう。演出家の朴京柱(音訳)氏はこう言う。「民族の尊厳を守るのは各個人。社会主義を守るということはすなわち、個々の家庭がどう社会主義を守っていくかということだ」(聖)

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