景況、売上高ともマイナス

商工連  7月の景況観測調査


 在日本朝鮮人商工連合会(商工連)では、今年4月に続いて7月(調査期間=7月16〜28日)に、第2回目の同胞企業を対象とした景況観測を行った(商工連経済研究室が主管、1、4、7、11月の年4回実施)。「同胞経済研究」第2号(2001秋)に掲載された7月の調査結果によると、第1回目の調査に比べ、7項目のうち6項目が悪化傾向を示し、同胞企業は引き続き厳しい状況にあることが明らかになった。以下、内容を抜粋して紹介する。

景況

 2001年4〜6月の景況DI(「良くなった」―「悪くなった」)は▲(マイナス)52。前回▲45より7ポイント下回った。前回調査時の今期見通しは▲40であったことから見ても、予想以上に悪化したことがわかる。商工中金が実施した中小企業月次景況観測2001年4〜6月までの景況判断はそれぞれ43.5、41.6、41.0(50が「好転」「悪化」の分岐点)だが、今回の調査を同じ計算式に当てはめると24となり、日本の中小企業よりも悪化傾向にある。

 業種別では、すべての業種でマイナスだが、なかでも金融業(▲68)のマイナス幅が大きかった。

売上高

 売上高DI(「伸びた」―「落ちた」)は▲36。次期の売上高DI(「伸びる」―「落ちる」)は▲39。次期の伸び率見通しは▲1%と見込まれている。

 業種別では、金融業が現状で▲57と悪く、前期比で▲20も落ち込んだ。来期の展望では土木・建設業が▲55と一番悪かった。

仕入価格

 仕入価格DI(「上がった」―「下がった」)は▲3。次期(「上がる」―「下がる」)は0。業種別にみると、遊技業(14)、飲食業(12)、製造業(2)で仕入価格の上昇傾向にある。

採算と資金繰り

 採算状況DI(「良くなった」―「悪くなった」)は▲48。次期の採算状況DI(「良くなる」―「悪くなる」)は▲45で悪化傾向が見込まれる。

 資金繰りDI(「良くなった」―「悪くなった」)は▲43。次期の資金繰りDI(「良くなる」―「悪くなる」)は▲45で、さらに悪化傾向が見込まれている。

設備と人手

 設備DI(「足りない」―「余っている」)は18で不足という結果。次期の設備DI(「足りない」―「余る」)も12と不足傾向が見込まれる。

 人手DI(「足りない」―「余っている」)は2と不足という結果。次期(「足りない」―「余る」)は▲3となった。業種別では飲食業が現状(15)、展望(17)ともに不足感が強かった。過剰感が強かったのは土木・建設業(▲16)。

 【調査対象】東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の各商工会の法人会員から300法人の経営者。調査方法は面接。

 【調査内容】@景況判断A売上高B仕入価格C採算状況D資金繰りE設備F人手の7項目。今年4〜6月期を基点に前期比の状況、次期の見通しを調査。

 【注】DI(diffusion index)は景気判断指数などに用いる。A―Bで計算。単位は%ポイント。景況と売上高、資金繰り、採算状況のいずれも、DIがプラスであれば好転、マイナスであれば悪化と判断できる。仕入価格はプラスであれば上昇、マイナスであれば
下落。設備と人手は、プラスであれば不足、マイナスであれば過剰と判断できる。

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