北南関係発展に活力

第5回北南閣僚級会談−5項目で合意


 第5回北南閣僚級会談が15日から18日にかけてソウルで行われた。

 去る3月に中断、6ヵ月ぶりに再開した会談で、双方は5項目にわたる共同報道文を発表、一時停滞を余儀なくされた北南関係活性化への道を示した。

当局の意思

 北南双方の団長(北―金★(月偏に令)成内閣責任参事、南―洪淳瑛統一部長官)および一部の代表が交代するなど、装いを新たにして行われた第5回会談の結果発表された共同報道文第1項では、当局間対話と協力事業の発展と、民間級接触と往来、協力事業を当局が支援することを定めた。これは、米ブッシュ政権の強行姿勢とそれに連動した南側反対勢力の妨害に屈せず、当局が6.15共同宣言の精神に沿って責任を持って和解と協力を進める姿勢と立場を確認したもの。

 閣僚級会談が一時中断に追い込まれたのは、北南関係の発展に否定的立場を 
示し露骨的な強硬政策を展開したブッシュ政権とそれに追従した保守勢力の妨害工作のためであった。このため閣僚級会談は6ヵ月間の中断を余儀なくされたばかりか、8.15統一大祭典の際、これを非難した保守勢力の大合唱により民間交流にも冷水がかけられた。

 このような状況でなされた第1項目の合意は、6.15宣言に基づいた北南関係発展への当局間の確固とした意思を示したもので、沈滞していた北南関係に活力を吹き込むことになろう。

 さらに今回の会談で双方は、第4次離散家族の交換訪問(10月16〜18日)、民族経済の均衡的発展と経済協力の拡大、テコンドー師範団の交換訪問、第6回閣僚級会談の開催(10月28〜31日)に合意した。

注目される経済協力

 これらの問題は、今までに行われた4回にわたる閣僚級会談で話し合われていた事柄。閣僚級会談の一時中断で足踏み状態に置かれていたわけだが、今回の会談で具体的な実行段階に移った。

 中でも注目されるのは経済協力の拡大で、新義州―ソウル間の鉄道と開城―ムン★(ムンはさんずい偏に文)山間の道路の連結。分断された民族の血脈と国土をつなぐ事業として期待を集めているプロジェクトで、「可及的速やか」に開通させることで合意した。一方連結される鉄道と道路は、軍事境界線北側の開城に造成される工業団地と直接関連しており、工業団地の規模と実践計画の確定と工事着手に合意したこととあわせて注目される。

 さらに鉄道問題は、北とロシアとの間で連結に合意しており、北と南が朝鮮半島からロシアへと貫く鉄道プロジェクトに協力することで一致した。

 経済協力問題で注目される今ひとつの問題は、懸案となっていた金剛山観光問題。今回の会談で双方は、10月4日に当局間会談を開き、陸路観光をはじめとする観光事業の活性化のための対策を協議することで合意した。

 これらの経済実務問題を討議する経済協力推進委員会は、閣僚級会談の中断で開くことができないでいたが、今回の会談でこれを正常化させることに合意、経済協力の具体化実行への道を開いた。

外勢の干渉排除を

 経済協力の拡大とともに、離散家族の相互交換、テコンドー師範団の交換も和解の雰囲気を盛り上げ、民族的団結を促進するうえで、大きな意味をもっている。

 すでに3回にかけて行われた離散家族の相互交換再開は、離散家族の望みをかなえるとともに和解の雰囲気を盛り上げる大きな契機になろう。

 さらにテコンドーは、朝鮮民族が生んだ民族の格闘競技である。しかし、民族分断のあおりでテコンドー界も分断され、国際競技も分裂したまま行われてきた。

 師範団の交換はこのような状態を克服し、テコンドー界の共同歩調への転機になると思われる。民族的にも国際的にも、民族の統一への意思を誇示する象徴的意味をもつことになる。

 このように第5回閣僚級会談によって民族の和解と団結、統一に向けた交流、協力に活力が吹き込まれた。米国による対朝鮮強行策が続く中、北と南が6.15共同宣言の精神に基づき平和と自主的統一に向けた動きが本格化する。

 閣僚級会談の中断と再開が残した教訓は、民族問題に対する外勢の干渉をいかに排除するかである。北南の合意に外勢が冷水を浴びせるような事態を克服しなければならない。

 第5回会談の合意を実行するうえにおいて、北と南が力を合わせて自主的立場を堅持し、外部勢力の干渉をいかに排除しながら和解と協力を進めるかが大きなカギとなろう。

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