医療−最前線

増える女性喫煙者


 世界保健機関(WHO)は、今年5月、女性の喫煙率が日本はじめ各国で上昇し、25年には世界規模で20%に達するとした報告書を発表。将来は女性の4人に1人が間接喫煙も含め、たばこが原因で死亡する恐れがあると警告した。この報告にあるように、街でみかける女性喫煙者が近年、増え続けている。若年化も進みつつある。

 日本の20代女性の喫煙率が96年に20%に増加、10代女性は90年の5%から96年には15%と3倍に増えた(WHO)。

 WHO当局者によると「女性の喫煙者がこのペースで増え続けると、日本が将来も長寿大国であるという保証はない」と言う。

 女性のタバコによる疾患も急増しており、このままの傾向が続けば、タバコによる女性の死者数が倍増し、その医療費負担は爆発的に増えるだろうと警告を重ねている。

 喫煙率の増加の背景には、「自立した女性」とタバコのイメージを重ねて、消費の拡大を狙う巨大タバコ産業の思惑も見え隠れする。

 さらに、茶髪、ルーズソックス、あげ底ブーツなど若い女性を中心としたファッションが、タバコを流行させる一因にもなっているようにも思う。

 すでに日本がん疫学研究会などが指摘してきたように、タバコに発ガン性があり、健康を害するということは、疑問の余地はない。女性にとっての悪影響として

@出生時の赤ちゃんの体重が非喫煙者と比べて200グラム〜250グラム少ない

A死産の確率が高くなる――とWHOが指摘している。(李秀一・医療従事者)

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