朝鮮のIT研究機関と提携

今日から開催  ワールドPCエキスポにデジコソフトが初出展

セキュリティ、音声認識など共同開発のソフト展示


 科学院をはじめとする朝鮮のIT(情報技術)研究専門機関、大学などと提携しコンピュータソフトの共同研究開発を推進している(株)デジコソフト(東京・千代田区)が、日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で今日から22日まで開かれるアジア最大のコンピュータ展示会「ワールドPCエキスポ2001」(日経BP社主催)に出展する。朝鮮コンピュータセンター副技師長の金基哲氏(57)ら六人の技術者が朝鮮から来日し、会場でともにソフトの説明、解説などを行う。

 デジコソフトの同展示会への出展は初めてだ。朝鮮側と共同で開発してきたソフト製品、朝鮮のプログラムコンテストで金賞を受賞した各種ソフトを展示する。

 展示会では、デジコ社員とともに、朝鮮から来日した、科学院、金日成総合大学、金策工業総合大学、理科大学所属のトップレベルの技術者らが説明にあたる。

 出展製品はセキュリティ関連ソフト、コミュニケーション支援ソフト、オンラインソフトなど。

 セキュリティソフトとしては、印刷物を安全に保管・伝送できる暗号印刷ソフト、LAN完全対応のセキュリティファクスソフト、電子透かし、マスキング、画像暗号機能を統合した画像保護ソフトなどが展示される。

 IT化が進む中で、インターネットやメール利用など、企業のみならず一般家庭でもパソコン普及率が急速に伸びている。それに伴い、デジタルの世界における知的財産の不正利用はますます増加すると考えられ、セキュリティソフトの需要も増えるものと思われる。

 一般のユーザーになじみなのがコミュニケーション支援ソフト。コンピュータが朝鮮語を音声認識ソフト「CHILBOSAN」で聞き取り、朝・日翻訳ソフト「KORYO」で日本語テキストに変換。日本語読上げソフトと結合させれば、朝鮮語音声から日本語音声への自動翻訳がパソコン上で実現可能になる。

 さらに、日朝翻訳ソフト「ACHIM」を使えば、入力した日本語テキストを朝鮮語テキストに翻訳し、朝鮮語読上げソフト「OKRYU」によって朝鮮語音声で発声してくれる。

 映画やテレビのネイティブの朝鮮語音声も、話速変換「MULGYOL」でゆっくり聞き取ることが可能だ。これらすべてのソフトが展示される。

 そのほか、カラー写真やグラフィックデータをカラーファクス機と送受信する「デジコFAXカラー」、国土交通省の基準に準じたデジタル写真管理情報が作成可能な「工事写真Vision」などのオンラインソフトも注目されている。

 資料が紹介されるパソコンによるレントゲン検査支援システムは、平壌の金萬有病院で実際に使われているもの。ナンバー認識による駐車場管理システムは東南アジアから注文を受けて作られたもので、開発導入済みのものである。

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 ワールドPCエキスポ2001はアジア最大のデジタル総合展。日本の各企業だけでなく、シンガポール、インド、南朝鮮、上海、天津、台湾、フランスなど各国・地域のパビリオンも設置される。

 今回は「Big E への挑戦」をテーマに、ビジネスコミュニケーションから個人のデジタルライフまで、インターネットソリューションのすべて、最先端のITが展示される。

 4日間でのべ35万人の来場者を予定している。

国際市場の進出したい/金基哲・参加代表団長

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