人・サラム・HUMAN

『この道でビッグになりたい』

朝高出身女性初のプロゴルファー・李慶愛さん


 今年の8月、LPGA日本女子プロゴルフ協会認定プロテストに合格した、李慶愛(21、登録名―滝浪愛、身長166センチ、体重57キロ)さん。朝高出身女性で初めて。

 ゴルフに専念するため東京朝高を2年生で中退、大迫たつ子プロに師事。実家がある千葉を離れ、兵庫県で1年、滋賀県で2年間修行を積んだ。

 「親元を離れていた時は、いつも家が恋しくて。そんな時朝高時代のトンムたちの電話や手紙が励みになりました。今でも朝高のトンムたちの写真は、毎日持ち歩いています」

 初めてクラブを握ったのは小学生の時。自らを「アボジっ子」だという李さんは、ゴルフに出かけるアボジについて行くうちに、自分もプレーするようになったとか。「アボジについて行くと、おいしいものが食べられたから」とはにかむ。

 プロゴルフテストは3段階にわかれていて、第1段回はAからEの地区ごと約100人ずつ予選を行う。李さんは1番レベルが高いといわれている、B地区(主に関東)予選をなんと1位で通過したのだ。

 「自分が民族教育を受けた事に誇りを思っています。だから朝鮮人であることを隠したことはありません。南朝鮮から来た選手と練習で会った時は堂々とみんなの前で朝鮮語で話しますよ。もっとビッグになって、いつかは本名でプレーしたいと思っています」

ウリハッキョに恩返し

愛知中高柔道部コーチ・李秀幸さん

 愛知中高柔道部を今年4月から週2回指導している。普段は移動クレーンの運転手だ。31歳。

 母校の柔道部が「この頃元気がない」と心配する声を耳にし、自らコーチをかって出た。「ハッキョに恩返しをしようと思って」。

 李さんは小、中学校を日本学校に通い、高級部から愛知朝高に編入。「柔道の強い日本の高校へ進学することも考えました。結果的には、かけがえのない友達という、もっと大事なものを得ることができました」。

 李さんはそんな朝鮮学校のために何かしたいと、常日頃考えていたのだ。

 試合が終わって教え子が、「今日生まれてはじめて勝てました」と嬉しそうに言ったことがある。そんな笑顔にふれた時、コーチをやってよかったと思うそうだ。今年の中央体育大会の団体戦に出場した1年生たちが、3年生になった時に優勝するのが当面の目標。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事