それぞれの四季
引き継がれたバトン
金癸任
私の住んでいる地域に、20代から30代のオモニたちとその子供たちの集いの場、「トングラミクラブ」がある。普段、家事や育児に追われ、自分の時間がほとんどないオンマたちが1つの場に集い、その名の通り、「和と輪」になって語り合い、学び、そして遊ぼうというものだ。発足当時の私といえば、2人の息子たちも学校に入り、手も多少離れた時期だったので、この立ち上げに仲間たちと忙しく動き回った。深夜、家族が寝静まった頃に「トングラミ通信」を仕上げ、それをまた、翌日には1人1人を訪ね、手渡しする。
双子を出産し、動きが取れなくなった後も、私の分まで仲間たちが頑張り、会は継続してきたが、5年目の今年、岐路に立たされることになった。いつの間にか発足時のメンバーの子供たちは成長して入園、入学を済ませ、そのオンマたちの加齢もあって、世代交替の時期を迎えていたのだ。しかし、その後の会のあり方や中心になっていく若い世代のメンバーについて、幾度の話し合いを重ねたが、答えがみつからなかった。解散もやむなし、と諦めていた矢先に、名乗りをあげてくれたのが、現在の中心メンバーのオンマたちだ。 「今まで頑張って作りあげてきたトングラミをなくすのは惜しい」「バトンを受け継いで、これまでの恩返しをしたい」 その言葉に心が熱くなった。次は自分たちの力で、という姿勢に胸打たれ、若い世代のパワーを信じることの大切さを知った。今、彼女たちは、来月28日に、催される「タングンファミリーコンサート」に向けて張り切っている。(主婦) |