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「六法」だけでは解けぬ苦しみ

北海道在日朝鮮人の人権を守る会・山本玉樹さん


 公安調査庁の不当な外登原票入手がほぼ日本全域にわたって行われていたことが判明した。この事件の発覚以来、北海道在日朝鮮人の人権を守る会事務局長として、いち早く日本政府に強い抗議声明を送るなどの運動を展開している。

 「朝鮮半島の統一と和解への動きに冷水を浴びせるとんでもないできごと」と憤る。

 昨年6月、南北朝鮮の両首脳が平壌で交わした固い握手と抱擁を思い出す度に涙が出てくるという。

 「この日のために、どれだけの朝鮮の先達が、尊い身を捧げられたことでしょうか。私がお目にかかった金日成主席も、文益換牧師も今はなく、苦労された末に異国の地で亡くなった在日同胞の1世の方々…。どれだけ、この感動的な場面を御覧になりたかったでしょうか」

 40年以上も在日同胞の民族権利を守るために、文字通り体を張って、国家権力と闘ってきた。「『三矢作戦計画』に始まり、『新ガイドライン戦争法、周辺事態法』に至る『朝鮮有事』を想定した『共同作戦計画』。ここに日本政府の朝鮮敵視と在日朝鮮人に対する人権弾圧政策が貫徹している」と指摘する。

 当局による弾圧に反対する運動の現場には、同胞たちを力強く励ます山本さんの姿がいつもあった。「私こそ同胞のみなさんに教えられました。『六法』を学んだだけでは、朝鮮人民の苦しみは分からない。朝鮮人民に加えられた『不法と無法』を学び、ぜひ『八法』を学んで下さい、と諭されました」。謙虚で、いつまでも若々しい71歳。

師弟間の信頼映す金メダル

高校総体で優勝・大阪朝高崔日領さん

 朝高ボクシング部のインターハイ出場史上初めて金メダルを獲得した大阪朝高3年崔日領君。勝利を告げる勝ち名乗りを受けた瞬間、顔を上に向き喜びをかみ締めた。

 体は6日間の消耗戦でボロボロになっていた。

 今大会の2回戦後に利き手である左手拳と左膝を傷めた。万全の体調でないままのぞんだ準々決勝と準決は気力だけで戦いぬいた。

 決勝戦。「足が痛いなんか言っていられない、梁学哲監督に金メダルをプレゼントしたいという一心でした」と言う。

 そして勝因について「今までの3年間、監督の指示通りやれば必ず勝てると信じてやってきた。今日の優勝は、監督、そして、トンム、朝高ボクシング部発展のため力をつくしてきたすべての人のもの」と語った。

 師弟間の厚い信頼と流した汗と涙がこもった金メダルは、ひと際輝いて見えた。

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