春・夏・秋・冬 |
8月も残りわずか。処暑が過ぎ、朝晩の涼風に秋の気配が感じられる今日この頃。夏の思い出に浸っている読者も少なくないだろう
▼思い出作りの場と言えば、在日同胞の若い世代にとっては日校生のサマースクールや留学同のサマーセミナーが一つの場として挙げられる。今年も関東、東北、東海、九州など各地でサマースクールが、そしてサマーセミナーは初めて東西ブロックに分かれて行われた ▼両セミナーとも、単純なレクリエーションの場ではない。朝鮮人という「自分探しの場」と言っても過言ではない。実際、セミナーを通じて初めて民族に触れる参加者も少なくない。普段、朝鮮人であることを隠し、通名で通っている生徒たちも本名を名乗り、殻を捨てて本音で語り合う。「自分以外にもこんなにたくさんの悩みを抱きながら、朝鮮人として堂々と生きていきたいと思う同胞がいることに衝撃を受けた」と話す参加者。セミナーを通じて本名宣言をする生徒たちや、民族のルーツを知りたいと強制連行の勉強を始める若者も出てくる。いわば人生観を見つめ直す場だ ▼筆者も10数年前、サマーセミナーに参加した。高校まで朝鮮学校に通い、通名という言葉すら知らなかった。朝鮮人であることを隠し、そのことで悩む同輩にショックを受け、徹夜で民族について語り合った。だからこそ、そこで育んだ友情は今も健在だ ▼この9月、80年代に留学同関東を卒業した30代OBの同窓会が開かれる。詳しくは留学同東京のホームページ(http://www.hoops.livedoor.com/~mwchu/)まで。(聖) |