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8月15日に際し、劇団俳優座で毎年行われている朗読会がある。題して「戦争とは…」。戦争をテーマに書かれた小説、戯曲、手記、詩などから、読み手の俳優自身が一篇を選び、それを読み上げる。今年で7年目を迎えるその朗読会に行ってみた。花岡鉱山事件を扱った水上勉原作の「釈迦内柩唄」など、植民地にされた朝鮮や、中国人を扱った題材も目立った。今年は若手の出演希望者が多かったそうだ
▼「戦争と平和の問題は、私たちが語り継がなければならない」と、出演者の1人、女優の岩崎加根子さんは語る。過去を語り継ぐことは、過ちを2度と繰り返さないことにつながっていく。語る人がいなくなれば過去はどんどん風化され、そして、「亡霊」たちが頭をもたげる。今年噴出した教科書、靖国問題は典型的な出来事だ ▼ソウルの日本大使館前で毎週行なわれている「水曜集会」。そこに夏休み中の小学生の子供たちが参加して目を引いた。「韓国挺身隊問題対策協議会」が「従軍慰安婦」問題を多くの人に知ってもらおうと、92年1月に始めた「集会」。元「慰安婦」のハルモニたちが参加し、日本帝国主義の犯罪を訴えてきた ▼子供たちの参加は体験学習の一環だという。デモに参加したり、ハルモニたちの話を聞く過程で、子供たちは過去の問題を深く考えることになる。今年2月、ある小学校が始めたのを機に、各地の小、中、高校らに広まっている ▼南でも日本でも、こうした草の根の動きが過去を風化させない原動力になっている。その根は絶やされることはない。(聖) |