朝・日2ヶ国語で大阪の同胞らアジア演劇祭(27日〜)に出演


 27日から大阪と兵庫で開催される「アジア演劇祭  2001年in関西」(主催=同実行委員会、総聯大阪府本部などが後援)で、大阪在住の同胞が朝鮮語と日本語の2本立てで演劇を披露する。演出は「プルナ2000」の代表で在日本朝鮮人文学芸術家同盟大阪支部演劇口演部長でもある金智石氏。

 日本の高校に通う同胞青年や朝大生、元朝鮮学校教員など10代から40代までの16人がキャストを務める。朝鮮語が話せない日高出身生も3人いる。日高出身の夫龍海くん(19)が主人公だ。

 1991年から朝・日両言語による演劇を手がけてきた金氏だが、朝鮮語を話せない同胞を主人公に抜擢したのは初めてだという。

 「出演者の顔ぶれは同胞社会の現状を投影している。ウリマルを話せる同胞だけでは21世紀の同胞社会でウリマルは守れない。ウリマルを学べなかった青年が自分の言葉を1から学び、発する姿を通じて『民族的に生きる』ことの意味、可能性を訴えたい」

 演劇の初心者も多い。仏教大学4年の崔正勲くん(22)もその一人。「イントネーション、リズム、言葉に込められた意味…。ウリマルに対する新しい発見続き」だそうだ。

 大阪出身の朝大生も夏休みを利用して参加している。

 けいこで発音の指摘を何度も受けていた姜哲優くん(経営学部1年)が演劇に挑戦したのは「朝鮮半島ではもちろん海外に出ても通じるウリマルを話したかったから」。「僕らがウリマルを話すのは、外国語を学ぶこととは訳が違う。レベルはまだまだだが、『自分の言葉』として立派に話せるようになりたい」。

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 演劇の題目は「CHARI―居場所」。舞台は雑居ビルの谷間にある公園。親に見放された若者、子に見捨てられた中年など、家族とのきずなを失った人々がそれぞれの「居場所(CHARI=朝鮮語で居場所)探し」を始める姿を描く。

 演劇祭には南朝鮮の「劇団美学」、中国・中央実験話劇院など5劇団が参加。

 「CHARI」の公演日程=大阪梅田HEPHALL  日本語=8月27日、朝鮮語=28日(それぞれ19時開演)、神戸新長田ピフレホール  9月2日13時開演(朝鮮語)、チケット販売はチケットぴあなど。問い合わせ=プルナ2000、TEL  06・4960・4925。

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