反核平和のための朝鮮被爆者協会の声明


 反核平和のための朝鮮被爆者協会が5日、米国による広島・長崎への原爆投下56周年に際して発表した声明は要旨次のとおり。(朝鮮通信)

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 現在、わが国にも広島と長崎で被爆した数千人の被爆者がいる。

 米国の交戦国民でもない朝鮮人が被爆を余儀なくされた責任は、彼らを日本へ強制連行した日本帝国主義にある。過去の日本の犯罪の2重、3重の被害者である彼らはこんにち、日本軍国主義者を糾弾しながら、1日も早い謝罪と補償を求めてたたかっている。

 朝鮮の被爆者が日本当局に国家補償を求めてたたかうのは、過去、日本帝国主義が犯した侵略戦争とそれによる被害に対して現在の日本政府が責任を取り補償するようにすることで、前世紀に起きた惨禍が再び起きないようにしようという目的もある。

 日本政府は、自国内の被爆者たちには援護法を制定して支援しているが、「皇国臣民」として連れて行った朝鮮人については56年が過ぎようとも国交がないことを口実に謝罪と補償はおろか、ただ1度の人道的支援もしたことがない。

 昨年3月、当時の小渕首相が朝鮮人被爆者問題に対する政府の責任を認め、今年3月、調査団を派遣した。その後、日本外務省の関係者は、朝鮮の原爆被害者に人道的支援をすると度々口にしたものの、今日現在まで何の実践的対策を取っていない。

 それどころか日本当局者たちは現在、過去の犯罪に対する反省と補償から目を背け、軍国主義の道へとひた走っている。

 われわれは何より、日本政府がわれわれ被爆者をはじめ数多くの被害者の血と涙の訴えに耳を傾け、過去の罪悪をわい曲して謝罪と補償を免れようという恥知らずな態度を今すぐ是正するよう要求する。

 われわれはまた、日本政府が、高齢化している被爆者の抗議の声に耳を傾け、必要な人道的措置を1日も早く取るよう強く求める。

 万一、日本政府がわれわれ被爆者に対する人道的支援問題を何らかの政治目的を追求するためのものとみなして時間稼ぎを続けるならば、われわれ被爆者はもちろん、国際社会から、より大きな抗議と糾弾を受けることになるだろう。

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