金正日総書記ロシア訪問

「伝統的なきずなの緊密化に重要な意義」


 【モスクワ発朝鮮中央通信=朝鮮通信】朝鮮国防委員会委員長の金正日総書記とロシアのウラジミール・プーチン大統領との会談が4日、モスクワのクレムリン大宮殿で行われた。プーチン大統領の招きで7月26日からロシア入りしていた総書記一行は8月4、5日にモスクワを公式訪問した。両首脳は4日、「朝ロモスクワ宣言」に調印した。同日、プーチン大統領主催の宴会がクレムリン大宮殿で行われた。総書記は4日、モスクワの赤の広場にあるレーニン廟を訪れ、献花。無名戦士の墓も訪れ献花した。5日にはクレムリン内の歴史文化遺跡を見学、モスクワ市とモスクワ州にあるフルニチェフ名称宇宙科学生産センター、中央宇宙管制センターを訪れた。

友好発展、国際問題討議
朝ロ首脳会談

 金正日総書記とプーチン大統領との単独会談が4日、クレムリン大宮殿で行われた。大統領が総書記を温かく迎えた。会談では両国間の友好協力関係をいっそう発展させる問題、相互関心事となる一連の国際問題を討議した。

 またこの日、総書記と大統領との会談が行われた。朝鮮側から国防委員会委員の金永春総参謀長、国防委の延亨黙委員、朝鮮労働党中央委の金国泰書記、趙昌徳内閣副総理、鄭夏哲党宣伝扇動部長、姜錫柱外務省第一次官、国家計画委員会の朴南基委員長、金容三鉄道相、李光濠科学院院長、朴宜春駐ロ大使らが参加した。

 会談では情勢を通報し合い、友好協力関係をより拡大発展させる問題、相互関心事となる一連の問題について意見交換した。

貿易連携の拡大を
プーチン大統領歓迎宴

 プーチン大統領は4日、金正日総書記のロシア訪問を歓迎しクレムリン大宮殿で盛大な宴会を催した。

  宴会では大統領と総書記が演説した。

 プーチン大統領は演説で次のように述べた。

 今日、われわれは、切迫した国際問題に対するロ朝の共通の態度を確認するモスクワ宣言に署名したことで、両国間の協定の宝庫を補った。

 ロ朝協力の要の一つは貿易経済の連携を拡大することだ。両国の隣国も参加する協同を含めた経済的協同は大きな財政的効果をもたらすだけでなく、東北アジア情勢の健全化をはかるうえでよい影響を与えるだろう。ロシアは朝鮮民主主義人民共和国とも、大韓民国とも多様で実質的な協力を行う用意がある。

 ロシアは、和解、協力・統一へと向かう道で取られた決断性ある措置(昨年の北南首脳の出合い)を歓迎する。

 今回のわれわれの出会いは、昨年夏に平壌で始まった対話の継続と見なす。相互信頼の精神、相互理解を深めようとの共通の心構えを維持することが必要だ。

 金正日総書記は次のように述べた。

 われわれは、プーチン大統領が国防力と経済力を固め、社会政治的安定と民族繁栄のための事業で立派な指導力を発揮していることをよく知っており、この事業で成果があることを願っている。長い歴史と伝統を持つ朝ロ友好を、世紀を継いで輝かせていくのは両国民の共通の願いだ。

 新世紀の意義深い初年に実現したモスクワでのプーチン大統領との出会いが、両国政府と国民間の伝統的なきずなをより緊密にしていくうえで重要な意義を持つと確信する。

ABM制限条約 安定、兵器削減の基礎
朝鮮のミサイル計画「平和的」「脅威でない」

 4日、調印されたモスクワ宣言は、今回の両国首脳の出会いと会談が朝ロの親善関係史で特別な意義を持ち、アジア太平洋地域と世界の平和と安全を強化するうえで寄与となる歴史的里程標となったと強調した。

 宣言は、世界の安定維持と国際社会の安全保障のため、法の優位と平等、相互尊重、互恵的協力の原則に基づく正義の新世界構造の形成に両国が寄与し、国連の役割を強化する重要性、国連憲章などの国際法的原則と規範に反するあらゆる試みを防止すべき必要性について認めることで両首脳が合意したと指摘した。

 また両首脳が、1972年の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約が戦略的安定と戦略攻撃兵器削減の基礎になるということに留意して国際的な安全強化に寄与する決意を表明。朝鮮側が、朝鮮のミサイル計画が平和的性格を帯びており、朝鮮の自主権を尊重するいかなる国にも脅威とならないと確言し、ロシア側もこの立場を歓迎したことについて強調した。

 さらに両首脳が、歴史ある両国の友好協力関係のさらなる拡大発展、政治・経済・軍事・科学技術・文化など各分野における協力、朝鮮半島の北南とロシア・ヨーロッパを結ぶ鉄道輸送路創設計画実現に向けた両国の鉄道連結事業の本格化、6.15共同宣言に沿った朝鮮民族の統一努力への支持、朝鮮半島の平和と安定のために南朝鮮からの米軍を撤収させる必要性についての理解――などで合意したと指摘している。

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