春・夏・秋・冬

 冷凍朝鮮餅を開発して全国的に販売展開している栄伸商会(岐阜県)。池重典社長(55)は、女性同盟や朝鮮学校などには格安で卸し、上がった利益の一部は学校運営などに還元するようにしている。「民族教育の根は絶対に絶やしてはならない」というのが信条だ

▼こうしたケースは全国各地の同胞社会に見られ、本紙でもできるだけ紹介してきた。古紙リサイクル業を営む東京・練馬の同胞は、地元の朝鮮学校を財政面でバックアップしてきた父の遺志を受け継ぎ、母校の新・改築を支援してきた。同胞企業などを紹介するホームページを立ち上げ、その収入の一部を学校運営にあてている同胞もいる。彼らの思いは共通している。民族教育は絶対に必要だということだ

▼今世紀最初に開かれた先の総聯第19回全体大会でも、同胞社会で民族性を守ることが最重要課題に掲げられた。そして、そのためには民族教育に力を入れていくということも。異国にいても民族性を守るには、自国の言葉、歴史、文化をしっかり学び身につける必要があると考えるのは自然だ

▼前述の池社長が餅を手がけるのは、若い世代に朝鮮の食文化を受け継いでいってほしいという思いがあるからだ。餅と言えば、日本の餅しか知らない子供たちが増えている現状を嘆く

▼最近では、チェサ(祭祀)のテーブルにハンバーグが並ぶこともあるとか。西洋料理ばかり食べていると、考え方も欧米人みたいになってしまう、朝鮮人はキムチや朝鮮の餅を食べてこそ朝鮮の民族性を身につけられる、と池社長は力説する。(聖)

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