オンマの家計簿Q&A―韓鐘哲(12)

住宅ローン組む際の基本的考えは?

固定金利型、金利低い順、短期の返済


 Q1  マンションの購入を検討していますが、住宅ローンを組むときの基本的な考え方があったら教えてください。

 A1  住宅ローン組み立ての基本的な考え方は、固定金利型で金利が低い住宅ローンから順に選び、返済期間はできるだけ短くすることです。

 固定金利型を選ぶ理由としては、長い期間、金利が決められていたほうが、返済計画が立てやすいからです。特に現在のように市場金利が低いときは、将来的に市場金利が上がる可能性のほうが高いので、低い金利で固定したほうが安全です。長い期間住宅ローンを返済する間には、子供の進学や結婚などライフスタイルの変化に伴う資金が必要になります。金利が固定されローン返済金額が一定であれば、そのような資金の準備計画は立てやすくなるので、ローン返済に行き詰まるリスクを減らすことも可能になります。返済期間は住宅ローンを組むうえでたいへん重要な要件のひとつ。同じ金利で同額の住宅ローンを組んでも、返済期間によって毎回の返済金額は違ってきます。

 返済期間が長いほど毎回の返済金額は少額ですみますが、最終的な総返済額は増えてしまいます。毎回の返済金額を考えながら、できるだけ返済期間を短くするほうが得です。しかし、融資申し込み時の年収が少ない場合、返済期間を長くしないと住宅ローンを組めない場合があります。その場合は、途中で繰上げ返済などをして返済期間を短縮していく方法もあります。

 住宅ローン組み立ての基本的な考え方は以上のとおりですが、けっしてこうでなければならないというものではありません。大切なことは自分たちのライフスタイルに合わせて住宅ローンを組み立てることです。

 Q2  5年前に住宅を購入しました。現在100万円の余裕資金がありますが、住宅ローンの返済に当てようと思っています。

 A2  現在のような低金利では、余裕資金を預金していても多額の利息収入は期待できません。特に住宅ローンがある場合には、余裕資金を預金するより住宅ローンの返済にあてたほうが、利息収入より大きな効果が得られる場合があります。

 毎回の返済とは別に、元金の一部を返済することを「繰上げ返済」といいます。繰上げ返済には、繰上げ返済をすることによって返済期間を短縮する「期間短縮型」と毎回の返済金額を減額する「返済額軽減型」の2つのタイプがあります。繰上げ返済のメリットは、ひと言でいえば繰り上げて返済した元金にかかるはずだった利息の支払いがなくなるということです。

 具体例で比較してみます。元金2500万円を固定金利3.6%、35年の元利均等返済で借りた人の毎回の返済金額は10万4776円です。6年目に約100万円の繰上げ返済した場合を比較します。

 このように、100万円繰上げ返済することで、その後の総返済額は大きく変ってきます。また、返済額軽減型より期間短縮型のほうが総返済額の減額幅が大きくなります。

 繰上げ返済は、住宅ローン実行後、できるだけ早い時期に金利が高く返済期間が長いものから実行することで、より大きな効果が期待できます。ただし、繰上げ返済するには、その都度手数料がかかり、繰上げ返済できる最低金額が決まっている等の制限があるので、事前に取引金融機関等に問い合わせて確認してください。
(ハン・ジョンチョル ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

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