今週のスポット
民族要素加え「自分流」に
ファッションデザイナー目指して
福岡県北九州市在住の李英玉さん(23)
ファッションデザイナーを目指す李英玉さん(23)。現在、小倉にある国際総合ビジネス専門学校のファッション産業デザイン科に在籍している。
いつも、何らかの形で「民族」をアピールしたいと心がけ、コンテスト用のデザインはチョゴリを基本にしている。好きな色は黒、グレー、茶色などダーク系だ。 学友と共同で製品をデパートに売り込み、現在、そこでレディースものを販売している。ブランド名は朝鮮語の「チョッコルム(はじめの一歩)」。パステルなどカラフルなものが多い。 今後、個人のブランド、「サラン(愛)」も売り出していきたいという。「客に愛される商品を作るためには、製作者自身がその商品に愛情を注がなければならないから」(李さん)。 李さんは4年前、ファッション業界で成功するためには語学力も必要と、世界各国の留学生が集う米シアトルに1年間留学した。 学校で英語の基礎を学び、ホームステイ先で会話に慣れ親しみながら習得していった。今では日常会話に不自由はしない。 そして何より李さんは、この留学中に日本では身につけることのできない、新鮮なファッション感覚に触れることができた。 若い女性をはじめ、日本人は流行に敏感だ。「今年は白」「今夏は大柄」となれば、1度はそれを身につけてみようとする。 しかし、米国人は流行に振り回されることなく、個々人が好きなものを自由に身につけていた。 その過程で李さんは、「流行を追いかけるのではなく、自分流を発揮することが大切」と悟った。 李さんが、自分の作る製品に民族的要素を加え、ブランド名を朝鮮語にしたのも、シアトルでの経験が生きている。それが「自分流」なのだ。 「いずれプロになったら、北南朝鮮のかけ橋になるような仕事をしたい」と声をはずませていた。(李賢順記者) |