統一に不可欠≠フウリマル

訪日した在米同胞青年たち朝大など訪問、朝青と交流


 米国のコリアン団体、ノドゥットル(統一のための踏み石という意味、ニューヨーク)とLA(ロサンゼルス)フォーラムの代表ら8人が18〜20日、日本を訪れた。両団体は移民として自発的に渡米した異国の地でも民族の一員として生きていこうと、民族文化の継承、朝鮮半島の統一実現に向けた運動を展開している。短い滞在期間だったが、朝鮮大学校をはじめ金剛山歌劇団、同胞結婚相談中央センター、同胞法律・生活センターなどを訪れたほか、在日同胞青年との交流を通じて、今後の運動の展開に向けて多くのことが参考になったようだ。

◇                                    ◇

 一行が大きな関心を示したのは、民族教育だった。在米同胞の歴史は100年近いが、移民が増え始めたのは米国が移民法を改正した1976年以降で、比較的最近のことだ。2世、3世も存在するが、主流は1世。10代で渡米してきた青年たちは「1.5世」とも呼ばれ、朝鮮語をそれでも覚えているものの、渡米後よりよいところに就職し、米国での生活基盤を築かせようとの親の意向によって、英語での生活を優先させられた。ましてや幼い時に渡ってきたものは言葉をほとんど覚えていない。そのことに反発してか最近になって、「1.5世」をはじめとする2世の間で、異国の地でも朝鮮民族としてのアイデンティティーを持ち、朝鮮語を使う動きが表れ始めたという。ただ、現状は地域単位で独自にウリマル教室が開かれている程度。教材があるわけではなく、受講生が多いわけでもない。

 本職のかたわら、ウリマル教室の講師を務めるノドゥットルの女性メンバーは「2世を対象に、受講生と教室の数を増やし、1つの組織体としてまとめていく必要がある。朝青が実施している児童教室や青年学校を手本にし、将来的には民族学級にまで発展させたい。また総聯の朝鮮学校のように、同胞らの支援は欠かせない」と語っていた。

 また男性メンバーは、「昨年の6.15共同宣言発表後、在米同胞の中でも祖国統一に寄与すべきだという機運が高まった。統一運動を推し進めるには、朝鮮半島の人たちとの意思疎通が絶対に必要であり、そのためにはウリマルの習得が前提となる」と指摘した。

◇                                  ◇

 6.15共同宣言の発表は、在米同胞にとっても大きな転機をもたらしたが、その中で生まれたのが、LAフォーラムだ。より広範な在米青年たちを網羅して統一運動を展開するため、今年2月に結成された青年団体だ。

 メンバーのハ・リョンジンさんは「共同宣言発表前、朝青のように統一運動に参加している青年を見てパルゲンイ(共産主義者)と言っていた保守的な人たちも、共同宣言発表後は同じ民族が手を結ぶことはよいことだと支持するようになった。こうした点と点を線につなげ、さらに太い線に拡大していくことが今後の課題だ」と言う。

 しかし、同フォーラムは地域団体。点を線につなげていくためには、祖国の統一という同じ志向を持った各地にあるほかの団体との交流を深めていく必要がある。そういった意味で、「朝青のように全国規模での組織展開が不可欠だ。その取っ掛かりの1つはやはり、民族の言葉と文字を習うことから始まるのでは」(ハさん)。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事