支配主義から平等の新世紀へ

注目集める朝鮮の外交


 2000年1月のイタリアとの国交樹立から始まった朝鮮の全方位外交は、これまで着実に実を結んでいる。自主、平和、親善を基本理念とする朝鮮の外交政策は、かつて米国の指揮のもと朝鮮を敵対視していた国々から共感を得ているばかりか、21世紀の新たな国際関係構築の方向性とも合致している。折しも20日から22日までジェノバで行われたG8サミットが、反グローバリズムを要求する猛抗議のなか行われていたのとは好対照をなしている。

「あなたたちG8,私たち60億」

 今回のサミットでとくに際立ったのは、ブッシュ政権発足以来、世界的な非難を浴び続けている米国の一国主義と、1999年シアトルで行われたWTO(世界貿易機関)会議を契機に広がりつつある反グローバル化の猛烈な抗議活動。

 京都議定書など、国際的な約束事を平気で反故にするブッシュのわがままぶりを、フランスのシラク大統領やドイツのシュレーダー首相は手厳しく非難した。一方サミット開催期間、鉄条網で囲まれた会議場の外では、反グローバル化運動の集合体であるジェノバ社会フォーラムが、「G8の即時解体」を求めてデモ行進を続けた。彼らは「あなたたちG8、私たち60億」というスローガンを掲げ、先進数ヵ国による「世界の舵取り」に反対した。

 このような多極化の動きは世界各地で見られる。

 5月30、31日の両日にかけてインドネシアのジャカルタで行われた「15ヵ国グループ」第11回首脳会談では、ジンバブエ、インドネシア、マレーシアをはじめとする加盟国首脳たちが、国際金融機構の改革や多角的貿易制度、社会発展に有効な情報通信技術の利用問題などを話し合った。また会議では加盟国間の貿易、投資、技術提携などを強化することでも合意した。

 紛争と飢餓が続くアフリカでも、それまで帝国主義列強の支配主義に反対する戦いにおいて、アフリカ諸国の団結強化、および地域の安定と平和、発展に貢献してきたアフリカ統一機構を、さらに発展させたアフリカ同盟が16日に創設された。

高まる朝鮮への支持

 朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南委員長は、11日から20日にかけて、ベトナム、ラオス、カンボジアの3ヵ国を公式親善訪問した。訪問期間中、金永南委員長は各国の首脳と会談を行い建設的な意見交換を交わした。

 また、朝鮮と3ヵ国との間でそれぞれ発表された共同コミュニケでは、人類の平和と安定、発展のため、独立、自主、相互尊重、公平性、平等に基づいた新世界の建設に寄与することと同時に、地域と世界の平和と安全の脅威となる新たな軍備競争を招きかねない動きに対して憂慮を表明した。

 共同コミュニケでは同時に、国連やASEAN地域フォーラムといった国際舞台および地域で共同歩調を取りながら、発展途上国との連帯と協調を強め、平等で合理的な国際経済秩序を築く努力をしていくこともうたっている。

 朝鮮に対し、あくまで強硬姿勢を崩そうとしない米国や日本とは裏腹に、朝鮮は今年に入ってすでにEUをはじめとする12の国々と国交を樹立している。昨年10月南朝鮮で行われたアジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM)では、「朝鮮半島情勢は世界の平和と安全に密接に関連している」という認識のもと、6.15共同宣言の支持と朝鮮との関係正常化を目指すことを表明している。

 「今日の現実は21世紀に合わせてすべての事柄を計画し、努力して発展と繁栄をもたらすことを要求している。発展途上国間で団結と協調を強め、絶え間ない努力を注ぐ道だけが唯一先進国との差を縮め、復興と繁栄を手に入れる道である」(労働新聞)。

 世界では今、米国の一極支配主義に反対する声と、平和と平等に基づいた21世紀の新たな世界秩序を求める声が日々高まっている。

 自主、親善、平和を理念とする朝鮮の外交は、米国の一極支配主義に対抗し、自主的な世界秩序確立の先頭に立っている。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事