人・サラム・HUMAN
「コリアン」と縁があるんです
ミュージシャン・中川敬さん
今日発売のソウル・フラワー・ユニオン、ニューアルバム「スクリューボール・コメディー」(品番RES―52、リスペクトレコード)に石原慎太郎東京都知事を叩く(おちょくった)、「NOと言える男」という歌がある。
ボーカルの中川敬さんにこの歌についてコメントを求めたら、強いメッセージは込めていないと、きっぱり言われた。しかし石原都知事の「三国人」発言などで象徴的に現れる日本社会の排他主義、偏ったナショナリズムは戦前から続いてきた根強いものだと感じている。「外国に行ったり、外国人と接触する機会の多い今の若者は、それを変える可能性を持っていると思う。肌で実感すれば同じ人間だと嫌でもわかるはずやから。上からの押しつけが勝つのか、自分の実感が勝つかっていう問題やね」 それは中川さん自身の経験と重なる。訪朝した時を思い浮かべながら、「メンバーとチョゴリを買いにいったらおばちゃんたちが色々と世話を焼いてくれた。まるで大阪のおばちゃんやったね。子供たちはなんかしらんけど後をついてくるし。マスコミがいう『謎の人たち』でも何でもない普通の人たちやった」。 音楽をやりながら色んな土地を訪ねる度に「人間は皆同じ」だと実感する。だからどんな差別も偏見も本当は意味も理由もない。 「コリアンとは何かと縁があるんですわ」という中川さん。96年ピースボートで共和国を訪問、一昨年は釜山でライブを開いた。「南北朝鮮でアリランを歌ったヤマト人は、俺だけちゃうかな。機会があったら、また朝鮮に行ってみたい。北も南も」。 ユニフォーム15着贈る さかい屋酒店・石塚英次さん 東京・江東区枝川の朝鮮第2初級学校のバスケット部にこのほど、町内のさかい屋酒店社長石塚英次さん(43)からユニフォーム15着が贈られた。 学校とさかい屋は目と鼻の先の距離。先代からの長いつきあいで、父母たちとも顔なじみの間柄。「枝川は在日同胞の方も多い。僕が生まれた時から朝鮮学校が隣にあって、最初から一緒に育ったようなもの」と微笑む。 「学校の花見も運動会も、いつも一緒です。たくさんのお得意さんを紹介してもらって助かっている。喜びも悲しみも全部、お互いに分かち合ってきた感じですね」 ユニフォーム新調の話もアボジの会で一緒に食事をしている時に聞いた。さっそく石塚さんは「日頃お世話になっているので今回は、僕に作らせてほしい」と申し出たと言う。宋賢進校長(37)は「石塚さんは、ハッキョのために奔走してくれてます。本当にありがたい」と心から感謝している。 |