本社記者平壌レポート

市民の足、「バス機動隊」


 平壌市内では路面電車、トロリーバス、そしてバスが市民の足として活躍している。

 昨年10月の朝鮮労働党創建55周年と、今年4月の太陽節を機に、平壌市内に460台のバスが新たに補充された。そのうちの100台は2階建てのバスで、この間交通事情改善に大きな役割を果たしてきた。

 今年の4月からは交通事情のさらなる改善を図るため「バス機動隊」が設立された。「バス機動隊」は、10年以上のキャリアがある優秀な運転手たちで構成されていて、リ・ウソンさん(51)もそんな運転手の1人。

 「正直に言うと、私自身『バス機動隊』が何をするのかわかりませんでした。ましてや市民はほとんど知りませんでした。『バス機動隊』発足当初は停留所に行っても、市民がはたして乗ってもいいものか、目的地に行ってくれるのかとためらっていましたよ。今ではみんなが、『バス機動隊』がとても便利だと喜んでくれますけどね」と得意げに話す。

 「バス機動隊」が実質的に活動を始めたのは5月から。前述の460台のうち、160台のバスで構成されている。路面電車、トロリーバス、バスなど路線の如何にかかわらず、トラブルが発生したところに駆けつけフォローするのが主な役割である。

 一昨年まで被服工場で働いていたチャン・フィジョンさん(23)は、昨年からは車掌として「バス機動隊」で働いている。

 「今ではバス停で長い時間待つこともなくなったし、車内も満員ではないので、市内の移動がとても楽になったとお客さんたちに評判です。家族は私がこの仕事に携わっていることを、誇りに思っています」とフィジョンさん。

 市内には数10の路線がある。「バス機動隊」は決まった路線を走るわけではないので、運転手たちがコースを間違えたりしたら一大事。そのため常日頃から各路線を頭の中に叩き込んでいるそうだ。

 「何も特別なことじゃありません。市民の足となるバス運転手として、当然のことをやっているだけです」と、リ・ウソンさんは微笑んだ。【平壌発=姜イルク記者】

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