みんなの健康Q&A
骨粗しょう症症状と予防
適度な運動で骨を丈夫に
Q 骨粗しょう症って何ですか?
A われわれの血液中のカルシウムが不足すると、骨や歯の中にあるカルシウムが使われます。その結果、骨の密度が低下していき骨がスポンジ状にスカスカになってしまいます。骨粗しょう症になっても、最初は何の症状もありませんが、そのうちに腰や背中が痛くなったり曲がってきたりします。ひどくなると骨折をおこし、寝たきりの原因になります。骨折による「寝たきり」は最も悲惨ですが、手足の骨折でも大変な痛みを伴い入院し、手術をすることになります。閉経後の女性や高齢男性に多く見られます。それが、骨粗しょう症なのです。骨や歯はカルシウムの貯蔵庫の役割をしていますので、早いうちからカルシウムの貯金をしていくことが大切です。 Q 骨粗しょう症はレントゲンでわかりますか? A 初期の骨粗しょう症はレントゲンだけではわかりません。 レントゲンだけでは骨が30%も減らないとわからないということが、骨量を測定できるようになって初めてわかりました。血圧を測定せずに高血圧の診断をするのが非常識なのと同じように、レントゲン無しで骨粗しょう症の診断をするのは非常識ですが、骨量の測定は最も重要なのです。 Q どの骨の骨量を測定するのですか? A 様々な測定方法の中でも最も正確なのは腰の骨量の測定です。特に女性の骨は年に3%ずつ減っていくことから誤差が1%以下の腰の骨量を測定するのが良いでしょう。およその目安を見るには腕や、かかとの測定でよいのですが、ばらつきが多くて治療効果を見ていくのには役に立たない部分もあります。腕やかかとの骨量が低い場合、腰の骨量を測定する必要があります。 Q 骨粗しょう症の治療はどのようにするのでしょうか? A 骨粗しょう症の治療薬は現在かなりの進歩をしています。薬をのむだけで骨折が9分の1に減少したという統計データもあります。97年には米国FDA(日本の厚生労働省に相当)は、この薬を閉経後の女性すべてに投与して良いとの認可をだしたくらいです。 Q 予防するには、どうすればよいですか? A ・カルシウムの多い食品を十分に取りましょう。 ・ビタミンDの多い食品を十分に取りましょう。(ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます) 【ビタミンDを多くふくむもの】魚介類、きのこ類、たまごなど ・タンパク質の多い食品も取りましょう。 ―カルシウムは小さいお子様からお年寄りにいたるまで皆に必要不可欠ですが、特に妊娠、授乳期、成長期には不足しないようにしましょう。 カルシウムは一度に大量にとっても吸収される量は限られています。毎日コツコツとカルシウムを取り、丈夫な歯と骨、体をつくりましょう。 ―また、生活習慣も改善しましょう。 ・飲酒・喫煙はほどほどにしましょう。(アルコールはカルシウムの吸収のじゃまになります) ・むちゃなダイエットはやめましょう。 ・インスタント食品はほどほどにしましょう。 Q ほかには気を付ける点はありませんか? A 日頃から運動をしなかった人や、長期間病気などで寝込みがちだった人は、体格が他の人よりもきゃしゃになりがちで、骨が弱く、骨折しやすいといわれています。骨を丈夫にするためにはカルシウムを取ることも重要ですが、同じくらい運動も大切になってきます。運動によって骨に力がかかると、骨を強くするのです。また、運動は骨における血液の流れをよくし、骨を作っている細胞の働きをよくしていく作用があります。また、運動により体の筋肉が鍛えられ、その結果、転びにくくなり骨折を防止することにもつながります。 Q どんな運動がよいのでしょうか? A 骨にかかる力が大きく、そして繰り返しが多い運動ほど骨を強くすることはわかっていますが、無理に激しい運動をする必要はありません。ウォーキングや水泳は継続していけば効果が期待できます。現在、定期的に運動をされている方はそのまま続けてください。また、これから運動を始めるという方やスポーツが苦手だという方は、散歩や自転車に乗るというところから始めると良いでしょう。 西新井病院附属成和クリニック(TEL 03・5839・8222) |