この夏、祖国を実体験しよう
第20回留学同祖国訪問団募集中
日本の大学(短大も含む)、専門学校に通う同胞学生を対象に毎年行われている「留学同祖国訪問団」事業(主催=在日本朝鮮留学生同盟中央本部)。各地を訪れながら、祖国と民族、文化に直に触れるのが目的だ。20目を迎える今年は、例年とは趣向を変え、「民族文化体育」、「統一国家建設」、「ウリマル短期留学」、そしてこのうちの1つに追加する「長期滞在」の4コース別に行う。募集人数も100人とかつてない規模。また、今回初めて日本の高校に通う同胞生徒の参加も募る。出発は8月10日。「万景峰92」号での船上パーティーや平壌市内と白頭山観光、現地大学生とのボーリング大会、海水浴場でのビーチバレー大会など、全員で行動をともにするのは計5日間だ。
民族文化体育 民族の歴史文化を学ぶためのコース。目玉は、7世紀初頭に築かれた高句麗壁画古墳、江西(カンソ)三墓の特別参観。古墳内に描かれた「四神図」は現在、ユネスコ世界遺産への登録を申請中だ。また、大衆食堂「玉流館」で平壌冷麺を味わい、名人から教わりながら高麗青磁、冷麺、チョゴリ作りにもチャレンジ(いずれかひとつを選択)する。朝鮮5大名山のひとつ、九月山でのハイキングも楽しみの一つだ。 ほかに、民俗博物館、万景台学生少年宮殿、朝鮮歌劇観覧、有名スポーツ選手との交流など ●オプションプラン…現地大学生とのサッカー親善試合、ゴルフ(料金別)、サーカス観覧、海水浴、民族文化教室(チャンゴ、朝鮮舞踊のどちらか) ●現地8泊9日、費用=12万円 統一国家建設 朝鮮の最新科学技術施設などを見学するコース。囲碁ソフトウェア世界選手権での2連覇を誇る囲碁ソフトが開発された朝鮮コンピューターセンターは必見だ。ほかに、ダチョウ牧場、高麗人参栽培場などを見学する。また、朝鮮戦争(1950〜53年)時に、米軍が犯した蛮行を示す資料が展示されている信川博物館や、軍事境界線上の板門店を参観する。 ほかに、バイオテクノロジー施設、金策工業総合大学、「プエブロ号」(1968年に朝鮮人民軍がだ捕した米スパイ船)の見学など ●オプションプラン…朝鮮歌劇、サーカス観覧、海水浴、民族文化教室(同) ●現地8泊9日、費用=12万円 ウリマル短期留学 正しい母国語を習得するためのコース。滞在期間中、朝鮮の外国語大学に通う女子学生がチューターとして付き添う。午前中は専門講師の講義を受けて文法など基礎的な学習を行い、午後は平壌市内を観光しながら日常会話を通じて実戦を高め、話し言葉としてのウリマル水準を向上させる。大同江の遊覧船に乗ってチューターとのパーティーも行われる。平壌滞在最終日には、それぞれが学習成果を披露するウリマル発表会が開かれる。 ●オプションプラン…「統一国家建設コース」と同じ ●現地8泊9日、費用=12万円 長期滞在 祖国をもっと知りたいという人にお薦めのコース。前記いずれかのコースに参加した後に引き続き滞在し、各地を参観する。まずは白頭山での1泊の野外キャンプ。翌日は、ジャガイモ生産で有名な両江道・大紅湍(テホンダン)国営協同農場を見学する。平壌到着後は、元「従軍慰安婦」のハルモニの証言会や青年英雄道路建設者たちとの集い、帰国科学者たちとの座談会など見学以外の催しも充実している。 ほかに、朝鮮革命博物館、革命烈士陵、祖国解放戦争記念館、板門店、信川博物館、愛国烈士陵、妙香山(農場員との集い、登山)、国際親善展覧館、万景台革命学院、万寿台創作社など ●現地21泊22日、費用=前出の各コース費用12万円に含まれる。 ◇ ◇ 参加申し込み…締め切りは第1次が7月23日、第2次が8月4日。在日本朝鮮留学生同盟中央本部(TEL 03・3818・6138、FAX 03・3818・5202、Eメール=rht@wing.zero.ad.jp)まで。 ウリナラは「家族」 ウリナラに行くまでは、日本に住んでいれば祖国を考えなくても生きていけると考えていたし、自分の中に祖国という存在はあまりなかったように思います。でもウリナラで体験した一つひとつの出来事が、ウリナラを大切に思う理由につながっていきました。そして、一番強く思ったのは、ウリナラは私にとって国というよりは「家族」のようなものだということです。(李和淑・聖母女学院短期大学卒、昨年参加) 国を思う強い気持ち 私が祖国を訪問したのは、祖国が厳しい状況に置かれているからこそ真実を見極め、自分の考えを明らかにしたいと思ったからです。実際に行った祖国は時間の流れがゆったりしていて、懐かしい思いがしました。祖国の人々は、自分の国を思い、国のために生きようという価値観を持っていました。強く明るく前進しようとする彼らの私たちを見るまなざしは、とても温かいものでした。祖国での経験や人々の気持ちを忘れず、在日としての自己実現を目指して、前向きでありたいと思います。(李潤玉・お茶の水女子大学・文教育学部3年生、一昨年参加) |