春・夏・秋・冬

 インターハイに出場する広島朝高サッカー部。その対戦相手が宮崎県代表の日章学園に決まった。試合は8月2日に行われるが、日章学園は昨年の全国選手権でベスト16に入った強豪

▼サッカーはプレーする側も観戦する側も、朝鮮民族がもっとも熱くなり愛してやまない球技である。近代サッカーは、本家を自負する英国によって各国に普及されていったという。しかし、現在のサッカーと呼べるのかどうかの判断は置くにして、球を足で転がし蹴る遊びが古来、朝鮮半島で盛んだったことは三国時代の記録に残っている。わが民族のサッカー熱の源なのかもしれない

▼朝鮮サッカーのその名を世界にとどろかせたのは1966年、ワールドカップ・イングランド大会で、優勝2回の強豪イタリアを破ったことである。前半42分、朴斗翼(後にナショナルチーム監督)がゴールキーパーを抜いて唯一の得点を決め、アジア勢として歴史に残る初の一勝を記録した

▼普段は陽気な友人のイタリア人記者は、この話を話題にするときまって、「もう勘弁してくれよ」といった困り果てた表情を見せる。それほどにこの一戦の敗北は、脳裏の奥深くに悪夢として刻み込まれているようだ

▼この一勝に驚いたのが南朝鮮。北に遅れるなとサッカー界に大号令をかけ、軍に好選手を集めて集中強化に乗り出し、それがこんにちの礎を築くことになった。悲願の一勝をめざす広島朝高イレブン。その一勝は、朝高サッカー界をさらに躍進させるきっかけになるかもしれない。広島朝高サッカー部に声援を送ろう(彦)

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