春・夏・秋・冬

 今日行われる米メジャーリーグオールスター戦。日本ではマリナーズのイチロー、佐々木の初出場が話題を呼んでいるが、実は南朝鮮の選手にも初出場者がいる。LAドジャースのピッチャー、パク・チャンホ(28)だ

▼パクがメジャーに進出したのは1994年、漢陽大在学中のことだ。ドジャース入団と同時にメジャーに登録された東洋人第一号である。いまでこそ大リーグで活躍する東洋人も少なくないが、有色人種に対する偏見は、第二次世界大戦後まで続いていた

▼米大リーグが結成されたのは1876年だが、その後、70年近く、黒人選手に活躍の場は与えられなかった。球界の方針で黒人の選手活動はドサ回りの「ニグロ・リーグ」に限られていたからだ。しかし、そんな中で持ち前の才能を見せる選手たちも少なくなかった。こうして黒人選手第1号が誕生したのが1947年。ドジャースのジャッキー・ロビンソンである

▼だが、彼はデビューと同時に聞くに耐えない野次を浴びる。「クロちゃんよ、ジャングルが帰りを待ってるぜ」、「おい、くろんぼ。お前の仕事場は綿畑じゃなかったのか」。ロビンソンは根強く残る偏見と必死に戦い、実績で見返した。この年、新人王に輝き、チームを優勝に導いた

▼昔ほどではないにせよ、人種に対する偏見は今でも残る。パクがメジャーで活躍するのを面白く思わない同僚もいたし、「ラソーダ監督のひいき」だと露骨に不満を表す者もいた。だが、勝負の世界は実力が物を言う。同じ民族として、パクの活躍に期待したい。(聖)

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