総聯19全大会の方針どう実践するのか−傘下団体担当者に聞く@

商工連  金基次理事長

「経済専門家目標を実現」


 5月に開かれた総聯第19回全体大会では、21世紀在日朝鮮人運動の方向性を示し、20回大会までの課題を提起した。それをどう実践していくのか。各傘下団体の責任者に聞いた。

いかにもうけるか

  現在のように不況が長引き商工人らを取り巻く状況が困難を極めている中、商工会の役割はこれまで以上、一層強まっている。そのような時期に、理事長という重責を担うことになり身の引き締まる思いだ。

 これまで商工会と言えば、儲けたお金をいかにたくさん残すか、つまり、税金対策を活動の中心にすえてきた。だが、これからはそれとともに、いかにお金を儲けるかをアドバイスできるようにすべきだと思う。そのために、経理室を母体にした専門家集団を作りたいと考えている。そして経営診断、商企業活動などのノウハウの伝授、資料の提供などを随時行えるようにしていきたい。

 商工会では先の定期大会で、「新世紀経済専門化目標」を掲げた。

 具体的にはまず、融資のあっ旋を3000件、300億円実現していきたい。朝銀の破たんが相次ぎ正常な運営を行えない状況下で、同胞企業の資金問題解決は急務だ。地方自治体が行っている制度融資の内容や受け方などを知らせていきたい。

 2つ目は法人の取り扱いを今の6000件から7000件に増やすよう務める。3つ目は税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などの有資格者数を現在の600人から700人に増やしたい。

 こうした目標を達成することで、商工人の要求を解決できる力になればと思う。

原点に戻る

 当面、切迫した課題は民族金融機関の再建である。日本社会の根底に在日朝鮮人に対する差別、蔑視の考えがある限り、民族金融機関は絶対に必要だ。

 朝銀の原点は相互扶助。広範な同胞に融資することで、多くの人々が恩恵を受けられるようにするのが本来の使命だ。にもかかわらず大口融資、少数取引に頼ってしまったことから、バブル崩壊とともに経営が悪化した。

 そうした苦い経験を踏まえて、「小口大衆化」をスローガンに、健全経営に務めるべきだと考えている。そのためには、日常的に同胞商工人と接し、彼らの苦労がわかる地域商工会の役割がますます大事になってくる。

合理的に対応

 以上のような課題を実現するためには、商工会組織の強化が重要だと痛感している。

 例えば、東京都商工会には19の地域組織があるが、人員の配置などにばらつきが見られる。統合する方が合理的だと思えば統合して、その分、商工会で働く人材をそろえた方が信用にもつながる。豊島、板橋、練馬では3月の確定申告を2年連続合同で行ったが、こうした積み重ねによって互いに協力し仕事を進める体制ができた。

 また、商工会は総聯の外郭団体であるとの特性を生かし、総聯の枠外にある同胞たちにまで活動範囲を広げ、彼らとかかわりを深めていくことが大切だ。

 商工人の要求と志向に合わせ、運動を繰り広げることを基本スタンスにがんばりたい。(文責編集部)

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