春・夏・秋・冬

 今年5月、ボブ・ケリー前上院議員が、ベトナム戦争中に女性や子供を殺害していたと告白し、米国で大きな論議を呼んだ。というのも、ケリー氏はベトナムでの戦闘で右足の膝から下を失い、軍人に与えられる最高勲章の「名誉勲章」を受けた「英雄」だったからだ

▼ベトナム戦争の最中、米軍が無抵抗の民間人を虐殺する事件が相次いだ。1968年3月、米軍小隊が老人、女性、子供など500余人を虐殺したソンミ村事件はとくによく知られている。米兵は村人をアリか害虫のように扱ったという。それにさかのぼること20年近く前の朝鮮戦争でも、米軍は朝鮮人を虫けらのごとく虐殺した

▼52日間で住民の25%に相当する3万5000余人が虐殺された黄海南道信川郡には、米軍の蛮行を暴露する博物館がある。母親から引き離され、焼き殺された102人の子どもたちが眠る墓には、今でも献花の列が絶えない

▼このような米軍の残虐行為を裁く「コリア国際戦犯法廷」がはじめて開かれた。しかも、原告側である米国のニューヨークでだ。「命令に従い爆弾を投下したが、今ではどうしようもなく後悔している」と謝罪する元軍人の姿もあった

▼だが、当時の参戦国代表まで参加したこの法廷に、朝鮮の代表は参加できなかった。ブッシュ政権が入国を拒否したからだ。平壌など朝鮮各地では今年の6.25に際して、昨年は中止された大規模反米集会が復活した。背景には現米政権の対朝鮮政策見直しがある。朝米対話が再開されるか否か、ボールは米側にある。(聖)

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