日本から朝鮮全域に宅配便

逓信省、高麗航空の公認業者・(有)リーズ、5月末から開始


 日本全国から朝鮮国内全域に向けた、航空国際宅配便が5月末から開始された。在日同胞が営む貿易会社、有限会社リーズのカーゴ事業部(埼玉)が始めたもので、朝鮮逓信省および高麗航空の公認を受けているため、「安全」「確実」「迅速」に荷物が受取人に届けられる。さらに関税は一切かからない。同事業部の李廣明さん(46)は、「両江道・恵山のような遠い地域でも10日もあれば、確実に荷物を届けます」と利用を広く呼びかけている。

 リーズ社は、1989年に設立。以来、食料品、自動車、衣料品・生地、各種機械など、朝鮮と貿易を行ってきた。

 今回、国際宅急便事業を開始するにあたって、朝鮮逓信省および高麗航空の公認を受けられたのは、設立以来、逓信省国際通信局傘下の貿易会社と取り引きを行ってきた実績が認められたからだ。

 公認を受けたことによって、様々な特典を得ることができた。

  まず、朝鮮での税関検査。関西空港から北京経由で平壌の順安空港に運ばれるが、到着次第、逓信省傘下の施設内で、税関所員と同社の平壌社員が立ち会って、迅速に処理される。

 つぎに朝鮮国内での輸送だが、逓信省の輸送手段を利用するため、配達先が地方であっても荷物は通関後、即日から5日程度で配達される。さらに同社を利用すると、関税がかからないため、「受取人に金銭的負担が一切かからない」(李さん)。

 申し込みは、まず同社から「宅配申込書」を取り寄せるかホームページから入手し、必要事項を記入する。荷物の表にその「宅配申込書」を封筒に入れて貼り付け(同社にFAXで送っても可)、京都市内にある同社の指定倉庫に送る。請求された料金を指定銀行に振り込んだことが確認され次第、発送される。

 ダンボール1つのサイズは100センチ×80センチ×60センチ以内で、発送可能な状態にこん包することが必要だ。こん包に自信がない場合、同社に頼めば完全こん包してくれる(別途料金が必要)。

 ダンボール1つの最大重量は、平壌、元山、沙里院、南浦とその周辺地域は専用貨物自動車で運ぶため100キログラム以内まで可能。それ以外の地域は1つあたり20キログラム以内。

 料金は、ダンボール1つ10キログラムの場合、平壌は3万4850円、清津は5万9850円が目安だ。2個目からは、それぞれ1つ1万9750円、4万4750円。

 後日、差出人には、受取人の受取サインがファックスあるいは郵便で送付される。

 李さんは「ダンボールに衣類などを詰め込む際、圧縮袋などを利用すればコンパクトにより多くのものを送ることができる。今後、利用者が増えていけば料金はそれに応じて安くしていきたい」と語っていた。
(羅基哲記者)

 【問い合わせ・資料請求】リーズ・カーゴ事業部(TEL  048・449・8281、FAX048・421・1609)まで。ホームページ=http://homepage2.nifty.com/g-consul/lees-cargo.htm

 【取り扱いできない主な商品】▼動・植物およびそれらの加工品▼ワシントン条約に抵触する品目▼生鮮・冷蔵食品類▼現金・貴金属・貴重品類▼危険物およびそれに準ずる物品▼液体・酒類・割れやすい物▼日本および朝鮮の法律などに抵触するもの(武器・麻薬など)▼衣類・製品などに大きな英字が入っているもの、ジーンズなど。

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