オンマの家計簿Q&A―韓鐘哲I

マイホーム取得に必要な資金は

金額と日程決めマネープランを


  結婚3年目の20代の夫婦です。共働きで子供はいません。現在、貯蓄はありませんが、10年先ぐらいをめどにマイホームの取得を考えています。マイホームを取得するにはどのくらい自己資金を準備する必要がありますか?

  マイホームの取得については、いくらくらいの物件をいつごろ取得したいのかをある程度具体的に決める必要があります。それらのことが決まれば、それに向けたマネープランを立てればよいのです。マネープランを立てる際には、現在の家計の見直しを含めて、毎月の貯蓄金額および期間を考えます。現在の家計の中で削ることができる部分はなるべく削って、貯蓄にまわすよう心がけましょう。家計の見直しには、やはり家計簿が必要となります。みなさん、ちゃんと家計簿をつけ続けていますか。

 マイホーム取得に関する資金は、@取得時の頭金、A取得に関する諸費用、B住宅ローンの三つの側面から考えていく必要があります。このうち「自己資金」として準備する目標額は、取得時の頭金と取得に関する諸費用になります。

 取得時の頭金は、取得する物件価格の2割は必要といわれてきましたが、最近は3割程度準備する人が増えています。ほとんどの方が住宅ローンを利用すると思うので、頭金の準備には住宅ローンの組み立てが有利になるような金融商品で準備することをおすすめします。代表的な金融商品としては、住宅金融公庫の住宅債券、郵便局の住宅積立貯金、給与所得者なら財形貯蓄(特に財形住宅貯蓄)などがあります。

 住宅債券は、毎年2回(6月と10月頃)募集するもので、住宅金融公庫が発行する住宅債券を半年に1回、3年間ないし5年間購入する形で積み立てます。7回以上積み立てると住宅金融公庫の債券割増融資を積立金額の約3倍(最高1320万円)まで受けることができるなどのメリットがあります。利回りも良く(10年債で年平均利回り1.05%)、金融商品としても魅力的です。

 住宅積立貯金は、郵便貯金の預入限度額1000万円とは別枠で最高50万円まで積み立てることができます。積立期間は1年以上5年以内、積立金額は毎月5000円以上(1000円単位)で、積立が終了すると住宅金融公庫の割増融資額が最高で275万円受けられるメリットがあります。定額貯金並みの高利率ですが、利用できるのはマイホームを購入または建築する予定のある方です。

 財形住宅貯蓄は、給与所得者が住宅を取得する目的で金融機関等に財形住宅貯蓄としての必要な要件を満たす貯蓄をする場合に、元利合計550万円を限度として、利子等が非課税扱いになるというメリットがあります。ただし、財形住宅貯蓄は住宅取得などのための資金を積み立てるのが目的なので、これ以外の目的で払い出すと課税扱いになってしまいます。

 取得に関する諸費用は大きく分けて、取得に伴う費用(不動産業者に支払う仲介手数料と不動産取得税、消費税、印紙税などの税金)、登記にかかる費用(不動産登記にかかる費用と手続を依頼した司法書士への報酬)、ローン関係の費用(住宅ローンを利用する場合の手数料、保険料、担保設定費用など)、その他の費用(引越し費用、新しい家電製品の購入費用など)の4種類に分けることができ、取得する物件価格の1割程度は必要になります。

 マイホームは多くの人にとって、 人生最大の買い物 といえます。それだけに、あとで後悔しないよう、慎重に購入計画を立ててください。
(ハン・ジョンチョル ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

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