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おそらく、これまでの在日の受賞者の中では最も若いのではないかと思う。今回、訪れた祖国で労働英雄称号を受けた洪昌守(26)選手の話だ。これまでも少なからぬ同胞が功績を評価され、その栄誉に浴してきた
▼労働英雄称号はもともと、朝鮮戦争真っ只中の1951年、後方で自らの身の安全を顧みず朝鮮人民軍支援に奔走した労働者、農民たちを対象にして制定された。前年には、軍人のための共和国英雄称号が制定されている。由緒ある称号だ ▼洪選手の場合、文字通り「たたかい」が評価されてのことだと思う。そのたたかいぶりは単に勝ち負けではなく、在日同胞に喜びと感動を与えるものだった。朝鮮高校出身であることを公言し、堂々と本名を名乗る彼に、同胞たちは惜しみない拍手と声援を送った ▼昨年8月、「ワンコリア」と刺しゅうされたトランクスを身につけ、世界チャンピオンに輝いた際、「朝鮮は1つだ」とシュプレヒコールをあげた彼の姿に、所属を超えてすべての同胞が共感を覚えた。彼の公式ホームページによると、その時使ったグローブは平壌市内の博物館に展示されるかもしれないという ▼高校時代までを過ごした大田区に、2度目の防衛戦を前に行われた「励ます会」の収益金の一部を福祉目的で寄付するなど、地域の朝・日友好にも一役買っている。近畿高校ボクシング選手権に招待され、系列校OBとして後輩たちにエールも送った。9月に横浜で行う3度目の防衛戦でも、きっと「民族魂」を見せてくれるに違いない。彼の今後の活躍に期待したい。(聖) |