インタビュー

平壌医科学討論会に参加した、在日医協代表団  李圭珞団長に聞く

祖国の医学発展に貢献


 今世紀初年の5月2、3の両日にかけ、第3次国内外同胞の平壌医学科学討論会が開催された。これに参加した在日本朝鮮人医学協会代表団の団長を務めた李圭珞医師(医協中央顧問、京都梅の宮医院院長)に、インタビューした。

活発な質疑応答も

 ▼日本での連休を利用しての祖国訪問で、ご苦労さまでした。まず、今回の平壌での医学科学討論会の特徴についてお話し下さい。

 ▽今回は第3回目でしたが、参加規模が前回の200人に比べ250余人と大きくなりました。特に、在日の10人をはじめ、在米8人、在カナダ1人、在中国5人など多数の、内外同胞医療人の参加が注目されました。

 国内からも平壌市内の中央センター的性格の17医学保健機関をはじめ、ほとんどすべての地方医療拠点から参加しましたが、このような事は初めてとのことでした。

 国内医療人の関心は高く、参加希望者が年ごとに増えているようです。

 討論交流の内容においても、今回初めて在外医学者らによる講義、「免疫学の発展と現代医学」、「第1型糖尿病の原因・予防・治療の研究」など4演題あり、朝鮮赤十字総合病院での1000余人参加の特別講義も行い、大変、盛況でした。また、3分科会での92論文発表と質疑応答が活発に行われたことも特徴の1つと言えます。

内外の若い医学者らも交流

 ▼今回の医学討論会の意義は?

 ▽まずは、この学会を通じて、医学研究の国際的すう勢が部分的にではありますが、紹介され、共和国医学水準の発展に寄与したものと思われます。

 また、在米の方々も強調しておりましたが、国内外の同胞医療人が一堂に会して、お互いを尊重しながら、医学交流を行うことにより、質的向上を図っていくことでしょう。

 このような機会に、在外同胞医療人からの祖国支援も少なからず進められています。私たち在日医協からも1万4000冊の医学書を会員有志から集め、平壌市内八医療機関に寄贈しましたが、非常に歓迎されました。

 今回、私たち医療人と共に、家族の者も同伴し、親族面会や家庭訪問、お墓参りと観光なども存分にしましたが、いい機会であったと思います。

互いに刺激受ける

 ▼今後の展望について

 ▽毎年5月初めの定期開催となっていますが、在外代表らもふくめてずっと続けるべきだと思います。

 特に、若手医療人の参加が、老練な医療人とともに、今後いっそうひんぱんになるよう努力すべきでしょう。

 今回、日本から在日の医学生3人も同行して、平壌医科大学を訪ね学生同士の交流をしましたが、お互いに強い感銘と刺激を受けていたようです。

 在米、在中の方々が非常にうらやましがり、今後自分たちも若い医学者を同行させたいと言っていた事が印象的でした。

 医学討論会の内容・形式を、より実質的なものに発展させて行こうと合意しましたが、今後とも、この会合を名実ともに、内外同胞医療人の実り多い学術交流の場に作り上げて行きたいものです。

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