取材ノート
やはり求められる団結
「銀玉に一生をかけた在日同胞2世」「安定したホール経営」「ホールの組織化」――「勝ち組」か「負け組」かの二極化が明確になっていくと言われるパチンコ産業で奮闘している同胞経営者を「経済・経営」覧で紹介した。(インターネットでは載せていない。)
経営理念はそれぞれ異なったが、在日同胞が築き上げた産業を守り発展させていかなければならないという信念の点では共通していた。言い換えれば、将来を見越した対策、目標を正確に定め、その実現のために一歩一歩着実にコツコツと進んでいっているということだ。これは「お金のため」という概念とはまったく異なるものだということを取材を通じて感じた。 業界全般を見た場合、起死回生の方策として、営業方法の転換(例えば玉三郎方式=高交換率への移行、台の移動自由化、出玉の共遊OK、貯玉再プレー=客有利のホールルールへの変更)、際限のない新台入替、イベント「依存症」、不正機種への着手(これは法律違反)などに乗り出すホールが増えている。だがいずれもバランスを保たなければ、自分の首を絞めることにつながる。 取材をした経営者らは、この点についてはとても慎重だった。例えばイベントの乱発はしない。実施後に効果を検証し、有効なもののみに投資を続けている。 こうした強豪店がある一方で、売上の減少により、廃業や身売りを迫られる店も少なからずある。 では同胞企業が生き残る道はあるのか。自助努力のほかに、同胞業者のネットワークをつくり、共同出資してチェーン展開していくことも1つの対策として考えられる。だいぶ前から提案されているが、今ではより一層その実現が求められている。 21世紀、同胞が築き上げたとも言えるパチンコ業界で生き残るためには、やはり同胞の団結した力が必要であることを痛感した。 |