同胞の店

焼肉、中華・八七
(奈良県奈良市)

「朝中折衷」で固定客つかむ


 近鉄奈良駅から市バスで約15分。街道沿いに「焼肉・中華  八七」の大きな看板が見える。漢字で「八七」と書いて「ハナ」。朝鮮語で「1つ」を意味するこの言葉、「もちろん祖国統一への思いも込めていますが、実は語呂で選んだ屋号なんですよ」と、朱南哲さん(59)、崔永順さん(55)夫妻は笑う。

 店を開いて23年。現在は、長男の善甲さん(30)夫妻と4人で切り盛りする。

 とにかく驚いたのが、焼肉店と中華料理店の折衷という経営スタイル。メニューも表が中華、裏は焼肉だ。「競争の激しい外食産業で生き残っていくためのアイデア」(朱さん)だそうだ。

 地元住民の評判は良く、折衷型にしてからは売り上げも好調。三重との県境から食べに来る人もいるそうだ。

 朱さんが自信を持ってすすめるメニューの1つが「スタミナラーメン」(650円)。ニンニクを効かせた朝鮮風味付けのラーメンだ。麺の上にキムチ、ニラ、白菜が乗った盛り付けが食欲をそそる。見た目ほど辛すぎず、濃すぎず、さっぱりした味付けだ。

 焼肉は山形の黒和牛を使用。あっさりした甘ダレで食べさせる上ロース(1600円)は、舌もとろける口当たりの良さが絶品だ。

 中華・焼肉・鍋料理と、全メニューが出前可能。すべて内税で消費税は取らない。こうしたサービス精神も人気の秘訣だろう。常に笑顔を絶やさない崔さんの人柄も客を引きつける。(根)

 おすすめメニュー  八七ラーメン(870円)、焼めし(550円)、ユッケ(950円)、塩タン(800円)

 営業時間  午前11時〜午後11時。木曜休。奈良市横井1丁目713―1。TEL  0742・61・9902。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事