「20世紀女性事件史」出版

女性新聞社


 歴史の現状に朝鮮女性たちも主体的に参与してきたことを立証しようと、南の若い女性史家たちが編んだ「20世紀女性事件史」 (女性史研究グループ「キルパクセサン」編著)が女性新聞社から刊行された。

 男尊女卑の伝統が根強い朝鮮社会で、女性は「堂々と道の真ん中を歩くことができず、いつも道の端っこを歩いていた存在」であった。このことを踏まえ、女性はキルパク(道の外)を歩いていても絶えず世の中(セサン)を変えてきた存在であった、という意味でグループの名を「キルパクセサン」と付けた。

 朝鮮女性たちの「歴史」「文化」「記憶」「トラウマ」…とは?

 1886年、梨花学堂の門が初めて開き近代的な女性教育が始まった事件以降から最近のサイバー空間での性暴力問題に至るまで、女性史をめぐる様々な問題を当時の新聞、雑誌に掲載された記事、写真、漫評・連載漫画などの資料に基づいて説いている。

 1931年、平壌ゴム工場の女性労働者、カン・ジュリョンは会社の一方的な賃金削減に反対するストライキを先導したことで、会社から追い出される。解雇された翌日、ジュリョンは単身、乙密台に上がりろう城闘争を敢行した。それがきっかけとなり、ろう城闘争は世論の関心と労働者の呼応を得ることになった。

 日本軍の性奴隷実態を初めて明かした金学順さん(故人)の生涯など、歴史の外に追いやられていた女性たちの近現代史に焦点をあてた同書は、これまでの歴史的視点の本質的転換を迫るものとして歴史学界で大きな反響を呼んでいる。

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 本書は、東京都文京区白山にあるコリアブックセンター(TEL  03・3813・9725)に注文すれば入手できる。

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