私の趣味―小型船舶
独学で資格取得
香川・高松市 季兼一さん
現在所有する船舶で
`海は人生´地域の朝青員との触れあいにも
李兼一さん(50)は、16年前に小型船舶操縦士4級を取得した。家族が住む兵庫県から香川県に単身赴任して8年目のことだ。 当時は週末になると必ず地元に帰っていた。だが、電車で片道2〜3時間かかる距離は遠く、「なんとかこの距離を縮められないものか」と、常日頃考えるようになった。 家族に対する思いと同じくらい仕事熱心だった李さん。コツコツ働いたおかげで経済的にもゆとりができた。そこで、頭から離れなかった思いをかなえることにした。 瀬戸内海に浮かぶ鴻島(岡山県)に200坪の土地を購入して別荘を建て、週末はそこで家族と落ち合うことにしたのだ。 船舶の資格は交通手段として取得。テキストを手に毎日必死で勉強したかいがあり、1週間の講習と独学によって10日で取れた。家までの距離は片道30〜40分。家族を乗せて別荘に向かう。ともに過ごす週末の時間は増えた。 別荘での団らんは、家族が香川県に越してくるまでの約2年間続いた。 家族とともに暮らすようになってから、船舶はもっぱら李さんの趣味に変わった。年間10回は小豆島(香川県)まで釣りに出かけ、アイナメやメバルなどを釣るという。 しかし、李さんは1人で出かけたことはない。ゴールデンウィークやお盆などの連休には、家族のほかに、地域の朝青員たちを誘って別荘に行く。家族とのきずなを深めると同時に、地域でがんばる若い朝銀職員や朝青員らを励ますことができるからだ。「彼らと触れ合う場を大切にしたい」と李さんはいう。 最低でも2泊はするので食材はどっさり持ち込む。釣った魚をさばいた刺身やバーベキューなど、みなで味わう料理は最高だ。 鴻島は現在、観光客でにぎわうリゾート地。春は潮干狩り、夏はキャンプ、秋はみかん狩り――。自然を満喫しながら大いに遊ぶ。 現在所有する船は3隻目。時速70キロ、12人乗りで5トンだ。知人を介して某バラエティー番組の撮影に使用されたこともあるという。 「海は人生そのもの」と李さんは語る。荒い波を乗り越えて目的地へ進むときとくにそう思うそうだ。 そんな李さんの背中を見て育った子どもたちも海が大好き。次女は3年前、長男は2年前にアボジと同じ資格を取得した。(李賢順記者) |