同胞の店
炭火焼肉・大徳
(北海道小樽市)
昔ながらの豚ホルモン/変わり種は豚トロ
古くからにしん漁で栄えてきた港町、小樽。小樽の飲食店は新鮮な魚介類を使用した居酒屋が主流だ。そんななか、焼肉をメインにした朝鮮料理店を「秀子さん(44)が昨年10月、オープンした。場所はJR小樽駅から徒歩10分。屋号は甥の閏徳さん(24)、閏大くん(高3)兄弟から1文字ずつ取った。
席に着くと大きな七輪が運ばれてくる。毎日店で炭をおこすのは一苦労だが、「余分なあぶらが落ち、肉のうまみが増すので欠かせない」と「さんは言う。 ホルモンといえば北海道では豚が一般的だ。外側の皮をむいてきれいに洗う。肉の薄いものは仕込みに手間がかかるため最近はあまり見かけなくなったが、同店では昔ながらの「豚ホルモン」(380円)を味わうことができる。地元では醤油味が多く、「小樽ではここだけ」という特製みそダレで味をつけた薄桃色の肉を七輪の上に乗せると「パチパチ」とはぜるような音が立つ。薄い肉片が火力で縮まり端がカリカリに焼けてきたら食べ頃だ。 変り種は豚(とん)とろ(450円)。豚のほお肉のことで、魚のトロのように霜が降っていることから由来した。柔らかいなかにも肉にしゃきしゃきとした歯ごたえがあり、こちらはあっさり味の醤油ダレで味付けされているのでまた箸が進む。 看板娘で姪の閏美さん(22)との軽妙なやり取りが店の雰囲気を和ませる。 午後7時にはすっかり客でいっぱいの店内で、気付くとやりとりが消えている。厨房をのぞくと一心不乱に肉を切る「さんの姿があった。 おすすめメニュー 霜降り上カルビ(700円)、特製盛岡冷麺(700円) 営業時間 午後5時〜11時。火曜休(月末と祭日は営業)。小樽市花園3丁目16―1。TEL 0134・25・8929。 |