春・夏・秋・冬 |
先月26日、ハワイ・ホノルルで開かれた「韓米日高官協議」。94年の朝米枠組み合意を維持していくとの共同発表を出したが、「悦に入る米」「苦虫つぶす韓」「無表情の日」と3者の思惑はすれちがったままだ
▼また、現地からの報道は一様に、「対北朝鮮政策で協調体制を維持することも確認した」という。しかし、ワシントンから流れてくる話では、すでにブッシュ政権は対北政策見直し作業のなかで5つの基本方針を確定し、その最優先課題として「核兵器と弾道ミサイル拡散のプログラムを阻止する」ことを上げている。これは、事実上の朝米枠組み合意の見直しを意味する ▼なぜかというと、ブッシュ政権は「プログラム阻止」の手段として、枠組み合意に基づいて朝鮮が凍結している原子力関連施設に対するIAEA(国際原子力機関)の査察、さらには合意以前の原子力活動に対する検証も求めているからだ。軽水炉がほぼ完成した後、その主要な関連部品の納入前に「IAEAとの保障措置協定を履行する」との枠組み合意の前倒し、つまり見直しなのだ ▼枠組み合意は米国1人だけで見直しできる性格のものではない。まず大前提として、一方の当事者である朝鮮の同意が必要である。つぎに軽水炉事業を進める南や日、EU(欧州連合)などの合意も必要になってくる。6.15北南共同宣言を発表した金大中政権は完全な軌道修正を迫られる ▼朝鮮半島の統一と平和に背を向け、何食わぬ顔で踏みつぶそうとするブッシュ政権。金大中大統領のストレスが募るわけだ。(彦) |