新世紀へ−民族教育を歩く

おしゃべりな絵


 「『絵』は口ほどにものを言う」

 本来のことわざとは少々異なるが、こと「子どもの絵」について語る時、この表現はぴったりと当てはまる。

 先月、東京都内の外国人・国際学校が、初めて共同で開いたイベントは絵画展だった。中華学校、朝鮮学校、韓国学校、セント・メリーズ・インターナショナルスクール―。学校ごとに区分けされ展示された絵は、一目瞭然(りょうぜん)、それぞれの違いを雄弁に語っていた。

 韓国学校は、企画の趣旨を考慮し、民族的、伝統的な色合いの濃いものを主に出展したそうで、なるほどと思わせる作品がずらりと並んだ。75%が、在日ではなく本国から来た駐在員の子どもたちだという学校の特色を考えれば、うなずける内容だ。展覧会を見にやって来た朝鮮学校の生徒たちも、興味津々の様子だった。

 いちばん「おしゃべり」なのは、朝鮮学校の絵だった。ほとんどが在日朝鮮学生中央美術展覧会の入賞作で力作ぞろい、出品数も最多という好条件を差し引いても、冒頭の表現が最も当てはまるのは、ウリハッキョの作品だったと思う。大好きな家族や友達、同胞たちの姿、楽しい学校生活、日々の驚きや発見…。「生活的な視点で身近なものを表現することを大事にしています。絵の中に、それぞれの子どもの顔が見えるように」と美術教員の金聖蘭さん(東京第5初中)は言う。

 民族や生まれ育つ環境の違いはもとより、ひとりひとりはみな違うという自明を、改めてかみしめた。(姜和石記者)

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