総聯19回全体大会討論から−課題実践へのヒント

奉仕の視点で意識改革

組織あげて取り組む/あらゆる「場」利用


討論内容を紹介する映像が流されるとともに15人の
代議員以外からビデオによる討論もあった


 5月25〜26日に開かれた総聯第19回全体大会で示された19期、今後3年間の活動方針の柱は◇民族性固守◇新世代との活動◇同胞生活奉仕◇祖国統一運動◇祖国の社会主義建設支援◇対外活動――。15人の代議員は18期の活動について、これらのテーマに沿って討論した(社会欄に関連記事)。

民族性

 「民族教育の正当性を広く知らせ、その権利を擁護、拡大することについて」と題して討論した総聯大阪府本部の呉秀珍委員長によると、同本部では学校運営正常化のため、とくに行政からの公的補助増額運動に力を入れた。

 本部レベルの民族教育対策委員会をつくり、10ある学区ごとに地域の対策委も設置した。月1回、「民族教育の日」を決めて一般同胞を対象にした学習会などを開き、権利意識向上を図った。また民族教育の正当性を広く知らせ、支持世論を広げるための公開授業やシンポジウムを数多く開き、こうしたイベントを行政などが後援するよう努めた。

 保護者、同胞らは署名運動や行政当局への要請活動も絶え間なく行った。要請には、グループを作って交替制で繰り返し訪れた。活動家らは、県・市議会の会期に合わせて議員らとの活動を行った。本部委員長自身も、表敬訪問などの際は必ずオモニ会代表らを同行するようにし、本部のあらゆる日常的な対外活動の場をアピールするチャンスにした。また行政関係者、議員らを、学校や各種行事にも積極的に招待した。

 こうした努力の結果、現在、府と各市を合わせて3億円規模の補助を得ている。10年前の約10倍だ。

 総聯埼玉県本部の安正一委員長は「新世代の同胞を呼び起こし、朝鮮学校の児童生徒数を拡大することについて」と題し、この間、すべての活動の中心に教育問題を据え、生徒拡大のための活動に全組織をあげて取り組んだ経験を語った。埼玉初中の初級部には今年、昨年より16人も多い38人が入学した。

 在日本朝鮮文学芸術家同盟の朴鍾相顧問は「在日同胞社会で民族性を固守するための運動を汎同胞的に繰り広げることについて」、総聯兵庫・姫路西支部の盧武鉉委員長は「民族的な誇りでにぎわう地域同胞社会を作ることについて」と題して討論。盧委員長は、同胞に「何をしているか分からない、顔が見えない」と言われていた支部を、同胞の身近な存在になるよう再建した経験について述べた。

新世代

 総聯東京都本部の金守埴委員長は「新世代を積極的に押し立て支え、愛国の代をしっかりと継承していくことについて」で、有能な人材を発掘、採用し、朝青、青商会、留学同などの新世代団体を積極的に支援しようと強調した。

 朝青北海道本部の金成克委員長は「朝青を大多数の同胞青年を網羅した大衆的な青年団体に発展させることについて」と題し、委員長就任からの5年間で、北海道に暮らす在日同胞青年の過半数を同盟員として擁するまでになった経験について述べた。

 専従、非専従の活動家たちは、どんなに遠くに住む青年にも必ず月1回は会いに行き、つながりを持つようになった青年たちとの関係を大切にしていくための「場」として、朝青独自の全国ネットワークであるKYNを活用すると同時に北海道朝青独自の生活相談総合センターを設置。機関誌「DO!」を発行し、メールマガジンも月2回発行した。さらに全国各地の同胞青年から交際相手を紹介するための「クラブヒャンネット」も立ち上げた。

 また早いうちから幅広い同胞たちと連携を持つのが大事だとして毎年、日本の学校に通う同胞生徒と北海道初中高生徒との交流の場である「オータムフェスティバル」を、朝鮮学校側の子どもたちが主体となって開いている。

 結成5年目に入り、民族教育支援活動などで成果をあげている在日朝鮮青年商工会中央の許宗会長は「30代同胞を愛国の代を継いでいく力量にしていくことについて」、女性同盟京都府本部の魚秀玉委員長は「新世代をはじめとした幅広い同胞女性との活動を斬新に展開していくことについて」、それぞれ討論した。

同胞生活

 総聯では昨年1年間、各支部単位を基本にして各地に「同胞生活相談綜合センター」を設けて活動方法を転換し、同胞たちの役に立てるよう努めてきた。総聯東京江戸川支部の河秀光委員長は「総聯支部が同胞生活相談綜合センターを拠点に同胞奉仕活動をよりいっそう充実させることについて」で、センター運営の経験について紹介した。同センターでとくに好評なのは、江戸川区の補助も受けて運営している高齢者向けのデイハウス「うりまだん」。センターで高齢者向け施設を運営する動きは全国に広がっている。

 総聯大阪生野南支部の梁重烈委員長も「総聯支部が同胞たちの生活と権利を守り、より多くの実利を図ることについて」の中で、同胞の生活上の実利を図ることを最優先の課題とみなし、そのための活動システムをしっかりと打ち立て、活動家の意識改革を図ったことを紹介した。

 総聯東京足立支部関原1分会の梁泉守分会長は「わが分会を同胞愛で結ばれたハントンネに築くことについて」、商工連合会の梁守政会長は「同胞商工人の実利を図り、商工団体の大衆的地盤を強化したことについて」討論した。

 一方、平和統一協会の李鍾活会長は「6.15共同宣言を徹底的に履行して祖国統一偉業実現に積極的に寄与することについて」、開城人参研究所・人参栽培農場などに対する支援を続けている兵庫県加印地域商工会の盧炳c理事長は「愛国至誠を集め祖国の富強発展に寄与することについて」、総聯福岡県本部の鄭泰文委員長は「各階各層日本市民らとの活動を強化し、親善と連帯の幅を広げたことについて」、それぞれの経験を語った。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事