国会で性奴隷被害者の証言を聞く集会

命あるうちに解決を

民主、社民、共産党議員ら参加/謝罪、補償法案成立に全力


 「命あるうちに解決を!  『日本軍性暴力被害者』のお話を聞く院内集会」(主催=下関裁判を生かす会―日本軍性暴力被害者裁判支援連絡会―)が18日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で開かれた。

 集会では、日本政府に謝罪と補償を求める裁判の原告である性奴隷被害者の高銀娥さん(75、中国山西省在住)、宋神道さん(78、宮城県在住)がそれぞれ証言を行った。

 在日朝鮮人被害者として唯一、法廷闘争を闘っている宋さんは昨年11月、東京高裁で請求が棄却されて以来、半年ぶりに東京を訪れた。

 16歳で中国・武昌の「慰安所」に連行され、7年間の性奴隷生活を強いられた宋さんは、「誰が政治家になろうが、『慰安婦』のことはきちんと謝罪しなければならない。かっこ悪いんだったら、なぜあんな戦争したんだ。自分の国がしたことを反省しないから、日本は後ろ指さされるんだ」と気丈に語った。

 小泉政権発足後、宋さんはテレビで国会審議を欠かさず見ている。日本の政治の行方を注視しているのだ。宋さんの自宅には、支援者が定期的に連絡を入れているが、小泉純一郎首相が「靖国神社公式参拝」を明言したことについては、「その前にやることがあるだろう」とひどく憤慨していたという。

 支援者の木野村照美さんは、「裁判は政治に左右される。気丈にしているが、実は胸の中は不安で一杯なんです」と話す。宋さんは東京高裁で敗訴した直後の昨年12月、最高裁に上告したものの、裁判に負けたショックから愛犬と自宅にこもりがちだったという。

 現在、参院には、性奴隷被害者に対して日本政府が国として謝罪し、補償することを求める法案が上程されている。民主、社民、共産が共同提出した議員立法だ。昨年10月の臨時国会に各党が1度は個別に提出したが、今回は事前に協議し一本化、3月に提出した。

 集会には、民主党の岡崎トミ子参院議員、社民党の中川智子衆院議員、清水澄子参院議員、共産党の吉川春子参院議員ら10余人の国会議員が参加し、同法案を早期に成立させたい、と決意を述べた。

 とくに支援者らは、被害者が次々と亡くなっていく中で、遅々として進まない日本政府の対応にいら立ちを見せながら、被害者の生存中に必ず謝罪と補償を実現して欲しいと国会議員に強く訴えていた。

 吉川春子議員は、「張り裂ける思いで被害者の証言を聞いた。小泉首相は靖国神社に参拝すると明言したが、過去の侵略戦争に対する反省のかけらもない。全力で法案成立に取り組む」と語った。

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