今週のスポット

地域に早くなじみたい

初めての地で社会人1年生

朝銀西・香川支店の朴梨花さん(22)


 今春、朝鮮大学校政治経済学部を卒業したばかりの朴梨花さん(22)。出身地の岡山県を離れ、朝銀西・香川支店でテラー(窓口業務)を担当している。

 初々しく愛らしい笑顔は、朝銀に訪れる同胞や日本人の顧客、職場の先輩たちの間で評判だ。

 だが、朴さんにとってはまだ慣れないことばかり。仕事もさることながら、実は朴さん、朝銀の寮で1人暮らしを始めたからだ。

 高校(広島朝高)、大学(朝大)と7年間寮生活を送ったので、「親元を離れること」へのためらいはなかった。でも完全に1人で暮らすのは初体験。それも見知らぬ土地である。

 4人兄弟の末っ子。1番上の兄、2人の姉も実家を離れ1人暮らしをしている。だから、朴さんまでもが他県で働くなんて、と両親は寂しがったという。

 オモニの意向もあり、最初は岡山―高松間を走る「マリンライナー」に乗って自宅から通うことにした。しかし、早朝5時起床、片道1時間半の通勤は身体にこたえた。「これじゃ毎日続かない」と、意を決して1人暮らしを選んだ。同郷出身の女子職員が寮で生活していたことも励みとなった。


 「もう社会人だから甘えは禁物」と、自炊を心がけているが、料理のレパートリーは少なく、目下、勉強中だ。そんな中でも得意なのはシチューで、寮で暮らす職員たちにふるまうこともある。

 実家に帰るのは1ヵ月に1回ほど。慣れない環境で疲れがたまるせいか、休日はほとんど部屋でのんびり過ごす。今の朴さんにとってはその時間が一番楽しいひとときだ。

 県下の同胞とはまだほとんど面識がない。しかし、銀行に勤める者として地域の同胞と密着していく大切さはひしひしと感じる。仕事以外でも、同胞がつどう場に参加しながら「少しずつなじんでいきたい」と語る。とまどいながらも、朴さんの挑戦はまだ始まったばかりだ。
(李賢順記者)

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