新世紀へ−民族教育を歩く

みんなの手


 神奈川県横浜市鶴見区にある鶴見初級の現校舎は、今から4年前に建てられた。建物の形体は平壌の方角を望むよう設計され、柱や扉などのいたるところに、民族的な建築美をかもす工夫がなされている。今でも新築のように手入れの行き届いた校舎だ。

 先日、その校舎で地域の同胞たちを招いた催しが開かれた。「愛校基金運動に参加した同胞に感謝する集い」だ。

 人口2000人あまりの一区、ひとつの支部。この地で、半世紀以上に渡り民族教育が守られ、受け継がれてきた。充分な公的補助を受けられない外国人学校、しかも生徒数が少ない学校を、地域の同胞の力だけで維持していくのは容易ではない。そんな中、あの手この手の愛校運動が繰り広げられてきた。99年7月から今年3月までの20ヵ月間には「一口1000円愛校基金運動」が行われ、地域の同胞はもちろん県下の全教職員ら300人以上がこれに参加した。 一部の賛助者の寄付に頼る従来型ではなく、同胞全体で学校運営を支えるこのような方法は、名古屋初級教育会の「一口3000円運動」など、近年各地のウリハッキョで見られる。総聯川崎支部では、管下のすべての団体による民族教育推進委が、先月発足した。

 「ウリハッキョはとても良い学校。あとはお金さえあれば問題ないわね。だからがんばって愛校基金に参加しなくちゃ」(李景淑オモニ)

 どんなに苦しい状況下でも、いちばん大切なもの、いちばん大事なことは何か、その優先順位を決めるのは私たち自身。その手でウリハッキョは守られている。(姜和石記者)

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