こちら同胞生活相談綜合センター 福島・中通

日常的な接触、同胞に安心感

散在している同胞もうなぐ、キャンプ1日旅行、サークルも支援


6000人余人の家族連れが参加した
2月のディズニーランド1日旅行


1年余の間に116件、70%解決

民団同胞も門叩く

 郡山市などの5市44町村、福島県下の半分の地域を網羅する中通地域同胞生活相談綜合センター。鄭正達所長(55)を含む2人のセンター員による訪問相談、10人の地域巡回相談員と県センターからの情報収集を通じて、99年12月の開設以来、地域同胞の様々な問題の解決に取り組んできた。

 センターの活動が本格化した昨年2月から今年3月までに寄せられた相談件数は116件。うち約7割の問題を解決した。相談の内容は、離婚などの家庭問題が全体の3割以上を占め以下、交通事故、冠婚葬祭、保険・年金、金銭トラブルの順で多かった。

 弁護士や税理士など専門家の手助けが必要な問題については、東京・上野の同胞法律・生活センターとタイアップして対応している。 

 鄭所長はセンター開設の意義について、「離婚をはじめとする家庭問題など、複雑な相談が多いが、人が生活するうえでは当然、起こり得る話。こうした問題を相談できる場所ができたということは、地域同胞らに安心、安ど感を与えることができたのではないか。開設後の相談内容がそれを物語っている」と強調する。

 昨年初め、他県から引越してきた民団傘下の70代の男性が、センターの門をたたく出来事があった。裸一貫、身寄りはなく、生活の見通しもたっていなかった。センターでは、2ヵ月間かけて男性の住居、生活費の問題など、安定して生活できる環境を整えてあげたという。「相談の対象の幅が広がっていることを実感した」(鄭所長)。

家族同士の交流も

   生活相談以外に、センターが力を注いでいるのは、地域同胞たちの親ぼくを深めることだ。前述したように、同胞らが広範囲にわたって散在している地域の特性から、同胞らが一堂に会しふれあう機会は少ない。その空間を埋めるためにセンターでは意識的、かつ積極的に各種イベントや文化講座を開催している。

 なかでも昨年夏、大型バス2台を貸しきって行なったキャンプや、今年2月のディズニーランドへの1日旅行は、親子のきずなを深めるだけでなく、家族ぐるみの付き合いを深める契機になったと、大好評だった。今後はハイキングや温泉ツアーなども予定している。

 一方、地域で運営されている10のサークル(バレーボール、チャンゴ、絵画、コーラス、陶芸、習字、サッカー、ゴルフ、パソコン、登山=年配組みとそれ以外の2つ)の宣伝、メンバーの募集にも、センターは一役かっている。

 鄭所長は、「同胞との日常的な接触を積み重ねる過程を通じて、同胞にとってセンターは非常に身近な存在になったと思う。まだまだ手さぐりの状態だが、同胞らの悩みを1つでも多く解決し、同胞らに慕われるセンターにしていきたい」と意欲を示していた。(羅基哲記者)

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