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5月の連休中、EU(欧州連合)代表団が訪朝した。すでに報道されているように、代表団はEU理事会議長ら最高位級人士で構成され、今後の政治、経済関係の発展、そして人道支援問題など実りある話し合いが行われたという
▼関係者の話によると、EU側は今回の訪朝に当たって、米国の政策と対峙するようなEU独自の外交を目指すものではないと、断っている。言い換えれば、米国の政策を補完する訪朝だということだ ▼とはいいながらも、米国が見直しを進めている対朝鮮政策の根幹に関わる部分の1つであるロケット発射実験の延期確認は、ブッシュ政権の今後に確実に影響を与えることになる。というのも、実験延期の確認は裏返せば、EUが対話を通じて朝鮮との諸関係を発展させていくことを約束したことにほかならないからだ ▼ここでやはり登場してくるのが、朝鮮はむろんロシア、中国などが強く反対しているNMD(全米ミサイル防衛構想)である。名の通り、他国からのミサイル攻撃に備え米全土にその迎撃網を張り巡らす、という夢物語に近い構想である。前政権下で立案されたが凍結。軍需産業と表裏の関係にあるブッシュ政権はその救済のために「ならず者国家」論を復活、「北朝鮮ミサイル脅威」を掲げ何とかして実施に移そうとしている ▼EUと朝鮮が対話を深めていくことになれば、EUと米国の政策上の相違は今後、明白になっていくことになる。さて、米国はどのように政策を見直すのか。(彦)=2日付本欄の金大中ら致事件は73年の誤りでした |