冷戦式思考や行動方針では得られるものはない<上>
労働新聞の論文(全文)
19日付労働新聞は、「冷戦式思考や行動方式では得られるものはない」と題する長文の論文を掲載した。その全文は次のとおり。(朝鮮通信、中見出しは編集部)
歴史は新しい世紀、21世紀に入った。 冷戦が終息した後、人類は21世紀が必ず平和と安定の新世紀になるであろうと期待をかけてきた。 しかし、国際社会の共通の利害関係を反映したこうした世紀的悲願は、新世紀の始まりから重大な挑戦に直面している。 それが、新世紀の到来とともに出現したブッシュ新政権の質的構成と彼らの好戦的な対外政策構想と関連しているということはすでに論議されており、今になっては、もう秘密ではない現実として証明されている。 米国の43代大統領になったブッシュは、就任演説で自分の対外政策構想を次のように描写した。 「自由の敵、米国の敵は誤算してはならない。今後もわれわれは、世界に関与していくであろう。歴史がそれを要求しており、われわれの選択がまさにそれであるからだ」 ブッシュの言う「自由」とは、米国式の「自由」、他方の自由を抑圧する超大国の専横であり、したがってその敵とは、米国の専横に立ち向かって自主権を守護する国々である。 ブッシュが、これからも「世界に関与」していくと述べたのは、過去と同様、米国の覇権的利益のため世界各国に対する横暴な内政干渉と圧力政策を引き続き強行するということを意味する。 タカ派で固めた安保チーム 現在、ブッシュ政権の安保および対外政策担当者として政権の中核をなしている副大統領のチェイニー、国務長官のパウエル、国防長官のラムズフェルド、大統領安保担当補佐官ライスら全員、過去にフォードとレーガン、ブッシュ政権の要職で反ソ・反共冷戦戦略を作成し、実行していた強硬タカ派である。 まさに、この強硬勢力によってこんにち、ブッシュ政権の冷戦的な対外政策構想がごく好戦的な様相を呈して展開されているのである。 冷戦への復帰を企むブッシュ政権の強硬タカ派が、その構想実現の最初の対策としたのは反帝自主的な諸国、とくに米国の専横と干渉をいささかも許さず、自主権を守り抜くわが共和国を孤立・圧殺する強硬政策の樹立である。 こうしたことから彼らは、米国の選挙史上かつてない大混乱のなかで、かろうじて政権を握った初期から、わが共和国を「自由の敵」「第一主敵」と宣布し、「北朝鮮脅威」説を流す一方、その「脅威」に対処して「米本土ミサイル防衛」(NMD)システムを構築すべきだと強弁するかと思えば、はては「北朝鮮政権の生存保障に助け」になるから日本が共和国への過去清算を考慮しなければならないという反人倫的な妄言までもためらわないでいる。 選挙で破れた冷戦の「勝者」 これには歴史的に深刻な政治的・経済的な理由がある。 旧ソ連と東ヨーロッパで社会主義の挫折という悲劇的な事態が生じたとき、米国の強硬タカ派は、それを冷戦での自分たちの「勝利」と過信して、米国中心の「新たな世界秩序」論を持ち出した。 彼らは、この「新たな世界秩序」の本質を、地球上で社会主義を完全になくし、資本主義だけが支配するようにして米国を唯一の超大国とする「一極化世界」、いかなる地域問題も米国の指揮下でのみ解決する世界秩序であると公然と標ぼうした。 しかし、ソ連の崩壊による東西冷戦の終息後も、世界は米国の指揮棒に従ったのではなく、もっと多くの国々が反帝自主の道に進み、朝鮮を中心として始まった社会主義再生運動は全世界的な範囲に急速に拡大され、わが共和国はいかなる強敵も手出しできない強力な政治的・軍事的実体を有する強国に変わった。 結局、冷戦の「勝者」の月桂冠をかぶって再選にのぞんだ米国現大統領の父、ブッシュは、選挙で敗北し、共和党のタカ派は民主党に政権を譲らなくてはならない恥辱を味わった。 これは、共和党のタカ派に「千秋の恨み」を残し、彼らはその「恨み」晴らしとしてクリントン政府の外交安保政策、とくに対朝鮮政策について一つひとつ非難し、強硬一辺倒政策をしつこく提唱した。 |