神奈川同胞文芸総合美術展

初の試み 統一への願い込め

1〜3世40人出展


同胞彫刻家、李赫さんの作品


 「2001神奈川同胞文芸・総合美術展」(主催=在日本朝鮮文学芸術家同盟神奈川支部)が18日から22日まで、川崎市のアートガーデンかわさきで開催された。

 総合展には、神奈川県下の同胞約40人が出展。1世〜3世のデザイナー、学校教員、主婦など幅広く、絵画、彫刻など80余点が展示された。

 展示品の過半数を占めた絵画は油絵、水彩画、鉛筆画、アクリル画、朝鮮画など、画法や色使いにおいて個性豊かな作品が並んだ。

 同胞服飾デザイナーとして活躍している奇和順さん(55)の絵画「十五夜」は、広いススキ野原で満月を見上げながら先祖を敬う子どもたちの姿を描いた情感溢れる作品。製作に1年かけたという。「世代が替わっても朝鮮民族の魂、1世同胞が守り抜いた民族の心を忘れてはならない」(奇さん)。

 神奈川初中高の「康義教員(30)は、「…白頭の頂に立ち/美しい山河を瞳にうつすとき/祖国の愛を体いっぱいに感じ/祖国の地を踏み歩くこの瞬間/この心の喜びを何に例えよう…」と、詩「白頭山への想い」を出展した。

 美術展は、文芸同神奈川支部(姜青委員長)が「若い同胞芸術家を育成しながら、地域の文芸・美術愛好家らが活躍できる場を提供していこう」という趣旨で、昨年の3月から企画したもの。北南首脳会談に後押しされて同6月から、統一実現への願いを込め、幅広い同胞を網羅した総合展示会を開こうと、各総聯支部傘下の同胞や学校教員らに作品の出展を呼びかけながら、本格的に準備を進めてきた。総合美術展は今後、恒例化される予定だ。

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