春・夏・秋・冬

 「法は政治の表現である」「悪法も法か」。講師の言葉に耳を傾ける学生。一生懸命ノートをとる学生。23年前、朝大・政経学部1年生の時の授業(「憲法論」)である。大学に入るまで法律について何ら知識を持ちあわせていなかった筆者にとって、当時、朝鮮問題研究所長だった金圭昇講師(故人)の授業は新鮮で刺激的なものだった

▼朝鮮、日本の憲法をはじめ在日朝鮮人の人権問題を懇切丁寧に説明しがら、その都度、末川博氏(故人、元立命館大学総長)などの法学者の書物を紹介してくれた。また、トルストイの「復活」、ヴィクトール・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」をとおして「法と裁判」「犯罪と刑罰」の意味を説いたりもしてくれた。そして毎回、口酸っぱく言われたことは「週に岩波新書を1冊読め!」であった。講義を聞きながら、これが大学の本当の授業だなあと、しみじみと思ったものだ

▼新世紀の4月10日、朝大で入学式が行われた。希望を膨らませて入学した学生の前で、教員はどのような講義をしているのだろうか。また学生たちは、どの授業に面白みを感じ、4年間に何を学ぼうとしているのだろうか

▼方法論に関する書物を開いてみると、興味あるものから、自分に向きそうなものから勉強を始めるのが一番だと書いてある。朝大の教師1人ひとりが面白い講義をしてくれることを望む。学生も自分に合った方法論を身につけて専門知識の習得に励んでほしい

▼「4年間で1トンほどの本を読む」(猪口孝東大教授)ぐらいの大きな目標をもってほしいものだ。(舜)

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